菓子卸・アイネットHDが3年ぶり展示会 メーカー機能が強み 独自の品揃えに高評価

アイネットホールディングスの展示会が23日、都立産業貿易センターで「時代の変化に挑戦!多様化する食シーンに合わせて」をテーマに開催された。小間数は自社の新製品や地方メーカーを中心に56、来場者は高質店からディスカウントまで200企業、450人ほどとなった。

同社は中堅の菓子卸。日本アクセスや三菱食品など大手卸への集約化の流れから、厳しい商売を強いられているゾーンに属している。そこで取った戦略がメーカー機能を持つこと。小売機能を充実させる中堅卸は少なくないが、アイネットは10年ほど前から東京と宮城に2工場を持ち、焼き菓子系のPB、OEMの受託を得意としている。また、全国各地のローカルメーカーとは直接口座を持ち、自社倉庫では月に4~5千アイテムを在庫し動かしている。

展示会は、こうした独自のスタンスが反映されたもので、「おいしさ発信工房」「味の花壇」などのオリジナル商品や、北海道から沖縄まで各地の菓子を地方ごとに集めて展示したブースや、昭和レトロ企画、こだわり米菓コーナーなど、同社が推奨する菓子やメーカーがメーンとなっている。

展示会は普通、小間を借り切った大手NBメーカーなどが自社の商品やマーケティングを華々しくアピールする場となるが、アイネットは自社が推奨する商品やメーカーが主役で、普段は見たことのないさまざまな菓子が展示されている。他社との差別化を進めたいディスカウントを含めた小売からは、不思議な菓子が並ぶ展示会としての評価も高い。