アサヒビールはこのほど、博多工場(福岡市)の移転先として佐賀県鳥栖市を候補地に選定し、土地譲受を市に申し込んだ。
中長期的な市場縮小を見据えてビール類製造拠点の再編を進める同社では、「スーパードライ」などを製造する神奈川・四国の2工場を来年1月末で閉鎖する一方、博多工場は26年をめどに移転。ビール類のほかビールテイスト飲料やRTD、アサヒ飲料製品など、グループの多様な製品や容器を製造する新九州工場(仮称)として操業を目指す計画を2月に明らかにしていた。拠点集約による物流効率化と工場操業度の向上を図る狙い。
新工場の敷地面積は博多工場の2倍以上。年間生産量は1・3倍を見込む。アサヒグループの次世代生産体制のモデル工場として、製造方法の刷新などでエネルギー使用量を50%削減。再生可能エネルギーやCO2回収技術の導入などで、CO2吸収量が排出量を上回る「カーボンネガティブ」実現を目指すとしている。