不二製油グループ 新中計始動 植物性素材で新たな価値を創造 健康とおいしさ、サステナブル

不二製油グループ本社は、今年度から新中期経営計画「Reborn2024」(22-24年度)をスタートさせた。「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します」を2030年の新たなビジョンとして、酒井幹夫・不二製油グループ本社社長は「変容する社会環境に対応し、市場や売り方も変えることで、新しい価値を生み出せる企業グループに生まれ変わる決意」を示した。

同社グループを取り巻く環境は、コロナ禍による生活様式の変化、歴史的な原料相場の高騰、ウクライナ情勢など激変の真っただ中にある。このような中で、持続的成長を果たしていくためには、社会の変化に対応し、新しい売り方や市場に挑戦し、新しい価値を生み出していく必要がある。新中計のスローガンは「Reborn2024」。当社グループはこの3年間で生まれ変わるという覚悟と決意を込めた。

どのような姿に生まれ変わるのか。そのためには何が必要か。当社グループが目指す姿として、「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創する」ことを2030年の新たなビジョンに掲げた。ビジョン達成に向けて、まずは安定した収益を上げる体質になることが不可欠で、革新的な植物性素材を創出し、高収益な事業ポートフォリオを形成する。2030年の定量目標はROE10%、ROIC8%。サステナビリティの進化では、食のバリューチェーン上で社会課題解決に挑戦・貢献することを掲げ、サステナブル調達と環境ビジョン2030の目標達成を目指す。

2030年までのロードマップとして、フェーズ1(22―24年度)で事業基盤を強化、フェーズ2(25-27年度)で軌道に乗せ、フェーズ3(28―30年度)で事業経営の確立につなげる。各年度で収益性のマイルストーンとしてROE、ROICを設定し、今後取り組みを強化する挑戦領域と高付加価値品の既存領域の収益拡大を目指す。

収益性の高い事業ポートフォリオ実現に向けて、既存領域からより付加価値が高い「挑戦領域」へのシフトを進めていく。不二製油グループの挑戦領域とは、社会価値の創出と収益性が高く、競争優位性を発揮できる植物性食品を軸に、新たな技術・素材の開発、これまでにない売り方やブランド価値の創造、情報発信などお客様へのアプローチも強化し、サステナブルな食の未来と社会課題の解決につなげる。

2030年には挑戦領域の営業利益貢献を全体の25%、営業利益率10%を計画し、挑戦領域の技術・製品を応用し、既存製品群の付加価値も向上させ、グループ全体の収益性拡大を目指す。

事業基盤強化では、基礎収益力の復元、既存領域における高付加価値製品のポートフォリオ入れ替え、成長戦略分野への経営資源集中、挑戦領域への展開を進める。中計「Reborn2024」の24年度経営目標は、営業利益235億円、ROE8%、ROIC5%。非財務KPIとして、CO2排出量を16年度比23%削減(Scope1+2)、サステナブル調達においてはパーム油の農園までのトレーサビリティ(TTP)85%を目指す。