スター・ウォーズ起用して伊右衛門「特茶」大規模展開 過去最大の刷新で伝えたいのは“特別なお茶“「特茶」

 サントリー食品インターナショナル国内飲料の今年の最注力商品は、今年10月に発売10年目を迎える伊右衛門「特茶TOKUCHA」(以下、特茶)で4月5日に新容器を採用して過去最大の刷新を図った。

 「特茶」は、脂肪の分解に着目した体脂肪を減らすのを助けるトクホ茶飲料。

 高付加価値商品として展開し発売初年度に旋風を巻き起こしたものの、競合の機能性表示食品などの台頭により徐々に勢いが鈍化していった。
特にコロナ禍で在宅勤務が浸透していくと、ユーザーとの最大の接点である通勤時のコンビニ・自販機の購買機会を失い苦戦を強いられていた。

 これを巻き返すべく、昨年、「特茶」に配合されているケルセチン配糖体にフォーカスして大転換を図ったところ息を吹き返し、今回の大刷新でその勢いを加速させつつある。

売場に並ぶ伊右衛門「特茶TOKUCHA」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
売場に並ぶ伊右衛門「特茶TOKUCHA」

 取材に応じた多田誠司SBFジャパンブランド開発事業部部長は、昨年からの動きについて「低価格の機能性表示食品が増えてくるにつれ、トクホの『特茶』が苦戦しはじめたことから、コンセプトを“特別なお茶“に改めて、特別なお茶の特別な成分である“ケルセチン配糖体”に“ケルセチンゴールド”という呼び名をつけ、プレミアムを訴求している」と説明する。

 今回のリニューアルでは、ケルセチン配糖体にさらに焦点を当てる。

 その有効性が科学的に実証された確かに効果のある飲料であるということ訴求すべく、ケルセチン配糖体で新たに許可を受けた“日常の身体活動による脂肪を代謝する力(脂肪の分解・消費)を高める”というメカニズムをヘルスクレームに掲げる。

 パッケージは、発売以来採用してきた竹筒ボトルからケルセチン配糖体をモチーフとした緻密なエンボス加工を加えた新ボトルへと刷新。

 ラベルは、ラベルデザインの面積を減らすことで輝く金のようなお茶の色合いが見えるようにするとともに、ラベル前面でケルセチン配糖体を訴求するアイコンをあしらった。

 中味は「特茶」ならではの香ばしい香りをより強化するため釜炒り茶を使用し、玉露を新たに採用して味の厚みを強化した。

サントリー食品インターナショナルの多田誠司SBFジャパンブランド開発事業部部長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
サントリー食品インターナショナルの多田誠司SBFジャパンブランド開発事業部部長

 コミュニケーションは「特別感や壮大なスケールを感じていただくためスター・ウォーズとコラボした」。

 TVCM「金の特茶 金のフォース」篇では、映画シリーズ「スター・ウォーズ」の名シーンを起用。「スター・ウォーズ」のメインテーマ曲が流れ、近未来の世界で体脂肪の調査をする研究所を舞台に “金のフォース”として「特茶」を描いて特別感を訴求し、ケルセチンゴールドが腹部全脂肪に作用することを伝える内容に仕立てられている。

 このケルセチンゴールドの打ち出しや容器の刷新などが奏功して好スタートを切り4月から前年比2ケタ増で推移している。

 今後も商品を含めたマーケティング活動を強化していき、年間通じてコミュニケーションを展開していく。