日本ハムは高齢者の課題「フレイル」に対し、たんぱく質摂取と運動の組み合わせによる予防を関西医科大学と共同研究を進めている。その課題解決を図る一環で「やわらかサーロインステーキ」(冷凍品)を新発売した。
特徴はナチュラルビーフを使用したうえで「圧倒的なやわらかさ」を実現したこと。一般的なステーキと比較し、4分の1ほどの力で噛むことができる。高齢者の「ステーキを食べたいが肉が噛めない」に対応し、フレイルの主要因である低栄養と高齢者の「食べる喜び」を訴求する。まずは今夏のギフトと一部ECサイトからスタートする。
フレイルとは、厚生労働省資料によると「加齢により心身の働きや社会的つながりが弱くなった状態」のことで、そのまま放置すると「要介護状態になる可能性がある」とされている。
「やわらかサーロインステーキ」(1枚100g)は、厚さ2㎝と食べ応えがあり、調理は湯せんと簡単。原料はウルグアイの大自然の中で牧草で飼育された牛肉を使用し、成長促進剤や抗生物質は使用していない。たんぱく質の量は1枚当たり18.3gで、一般的な輸入牛肉のサーロインは同17.4g(日本食品標準成分表八訂)なので同等以上を含有している。真空調理でじっくり火を入れることでやわらかく噛みやすい商品となった。
100g4パック入りで価格は税込み4千860円。賞味期限は365日。
65歳以上の人口の割合は20年が29%で、同年齢のフレイルとその予備軍を合わせると5割を超え、2千万人に相当するという。さらに40年の同年齢割合の推計値は35%に拡大することから、日本ハムと関西医科大学は今後も共同研究を進め、同社は「医療と介護、自治体と流通各社を食肉、加工品、水産品、乳製品とサービスでつなぐ役割を担い、地域の健康を包括的に支援していく」としている。