環境配慮へ紙パック採用拡大 30年度までにプラ廃棄ゼロ目指す J-オイルミルズ

J-オイルミルズは、2030年度までにプラスチック廃棄量ゼロを目指す新たな目標を策定した。紙パックを採用したスマートグリーンパックなど、プラスチック使用量を必要最小限に抑えた製品開発や、再生技術の導入拡大、企業間連携による再生技術開発の取り組みにより、目標達成を目指す。

同社は21年にプラスチック廃棄量を30年までに00年比25%削減する目標を設定し、さまざまな取り組みを進めてきた。今年4月にはプラスチック資源循環促進法が施行され、環境問題への関心が高まる中で、プラスチックごみ削減に向けて目標を上方修正した。

脱プラの取り組みでは、これまでは主に容器・包装の軽量化を通じて、プラスチック使用量の削減を推進。家庭用食用油の主力製品で使われている1000gエコボトルでは、02年比で26%の軽量化を実現。18年には「容器包装に関する指針」を定め、次世代型の素材や容器の開発を通じて、地球環境により配慮した企業活動の推進を掲げてきた。

こうした中で、今回新たに2030年度までにプラスチック廃棄量ゼロを掲げ、その達成に向けた重点施策として、紙パック容器を採用した環境配慮商品「スマートグリーンパック」シリーズ(以下、SGP)の拡充を進める。SGPは油脂商品では珍しい紙パックを採用し、従来の同容量帯と比較してプラスチック使用量60%以上削減、CO2排出量は26%以上削減を実現した。

同シリーズは、21年8月にキャノーラ油とごま油の2品を発売。今春にはラインアップを拡充し、「容器の処分が楽」「プラスチックごみを減らせる」など、消費者・流通から高い評価を獲得。環境意識の高まりを背景に、コーナー展開する小売業も増えており、「今後は既存の油脂製品をSGPに順次切り替えていくことも視野に入れている」(同社)という。

また、石油由来の原料削減では、バイオマス樹脂の採用も進める。19年には蒸着バリア技術を使ったパウチ容器でバイオマス樹脂を採用し、エコマークを取得。昨年秋には「ラーマ バター好きのためのマーガリン」「同お菓子作りのためのマーガリン」で、バイオマス樹脂を約10%使用した容器に切り替えた。そのほか、ボトル用ラベルに使うインキでも、バイオマス原料を用いたインキの採用も進めている。

同社では、廃プラスチックの再利用や再生樹脂の活用をはじめ、企業間連携による再生技術の開発など環境に配慮した製品の開発・販売に取り組み、プラスチック使用・廃棄量を段階的に減らしていく方針だ。