イトーヨーカドー、挽肉タイプの大豆ミートに注力 全店舗の精肉売場でコーナー化 健康と環境 100g98円の価格訴求力にも商機

 イトーヨーカ堂はイトーヨーカドー全店舗(2022年4月末日現在128店舗)の精肉売場で今春取り扱いを開始した挽肉タイプの大豆ミートに注力していく。

 消費者の健康と環境への関心の高まりに加えて精肉よりも割安な価格訴求力に商機を見出す。

 大豆ミートや培養肉などのプラントベースフード(PBF)市場は、健康意識の高まり・世界的な人口増加・SDGs(畜肉に比べ穀物のほうが水使用量などを削減)の3つの課題解決の観点から今後の成長が見込まれる。

 イトーヨーカドーでは19年秋から精肉売場で大豆ミート商品の取り扱いを開始し20年春に全店舗に導入拡大。現在、各精肉売場で大豆ミートをコーナー化して15種類程度を取り揃えている。

イトーヨーカ堂の工藤秀夫マルシェ部精肉担当マーチャンダイザー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
イトーヨーカ堂の工藤秀夫マルシェ部精肉担当マーチャンダイザー

 直近の販売動向について、7日、イトーヨーカドー木場店(東京都江東区)で取材に応じた工藤秀夫マルシェ部精肉担当マーチャンダイザーは「売上げは毎月伸長しており、直近の1-4月では前年同期比約3割伸長した」と説明する。

 1-4月の約3割増には、挽肉タイプの純増効果も含まれる。

 今後については、来店客からの問い合わせが増加傾向にある挽肉タイプに注力の構え。
 「最初の頃はメーカーさまの唐揚げなどが売れていたが、最近は挽肉タイプにご好評をいただいている。(豚・牛)挽肉に混ぜてつくるハンバーグ、ミートソース、麻婆豆腐などメニューに関する問い合わせが増えてきている」という。

イトーヨーカドー木場店(東京都江東区)の精肉売場の一角を占める大豆ミート売場(中央) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
イトーヨーカドー木場店(東京都江東区)の精肉売場の一角を占める大豆ミート売場(中央)

 精肉の中での値ごろ感も特徴。
 「基本的には100g税別98円で、(精肉と比べて)大豆ミートのほうが安い価格になっている」と述べる。

 挽肉タイプの大豆ミートは、メーカーから乾燥した素材を仕入れ各店舖で約1日かけて水に浸して戻して販売している。

 今後はPBの展開も検討。
 「セブンプレミアムの『大豆ミートと牛肉のハンバーグ デミグラスソース』も販売しており、お客様のニーズの変化に対応してPBも考えていく」と語る。