価格転嫁の動向に危機感 食品産業センター 荒川理事長が情勢説明

一般財団法人食品産業センターはこのほど、メディア懇話会を開き、荒川隆理事長が「食品産業をめぐる最近の情勢」と題して説明した。

荒川理事長は価格転嫁の円滑化の動きについて、原油や小麦などの価格や物流費が高騰し、国際情勢の不透明な先行きを指摘。「調達コストは上がっているのに、(メーカーが)売る方はなかなか上がらない」と現状を説明。今後の動向次第では「23年度の会員企業の経営にとって大きな問題になる」との危機感を示した。センターの取り組みとして、関係省庁などへの流通事業者に対する指導・監視や、消費者に対して啓発強化するよう要請を行うとした。

国の食料や農林水産業の生産力向上と持続性の両立を目指す「みどりの食料システム戦略」については、食品産業界関係者に幅広く理解を深めてもらい、業界の意見を行政に届ける場として「食品産業とみどりの食料システム戦略研究会」を新設したことを明らかにした。3月に第一回、5月に第二回の研究会を開き、今後も期限を設けず継続的に開催していく方針を示した。

22年度当初予算関連の取り組みでは、品目団体輸出強化支援事業が検討中で、国際標準添加物の利用促進事業、食品製造業の食品ロス削減対策支援が、いずれも交付を申請したと説明。新事業創出・食品産業課題解決プラットフォーム運営に関しては「公募が行われれば応募を検討する」とした。