昭和産業は、ポストコロナで需要回復が期待される外食向けの提案活動を強化する。昨年新設した「ソリューション営業部」を軸に、製粉・油脂・糖質など多岐にわたるグループ製品を活用し、メニュー開発やオペレーションの見直しなど、ユーザーと一体となった課題解決型のソリューション営業を推進。部門横断型のワンストップ営業によるフォロー体制を強化し、外食向けの売上高をコロナ前の19年比で約2.7倍に引き上げる。
同社は業務用・加工用向けが売上高の9割を占めている。食用油やミックス粉、パスタなど、外食ユーザー向けのボリュームも多いが、「当社の強みであるシナジー提案を進化させることで、外食のお客様が求めている価値をワンストップで提供する」(新妻一彦社長)。
昭和産業は、製粉(小麦粉・ミックス粉)、油脂食品(食用油・パスタ・大豆ミート)、糖質など多岐にわたる事業を展開する穀物ソリューションカンパニー。加工食品メーカーやコンビニ、量販デリカ・ベーカリー、外食向けで、粉と油、糖質などを組み合わせた複合型のシナジー提案を進めてきた。
外食向けでは一昨年の「昭和天ぷら粉」60周年企画など、従来からさまざまな取り組みを推進してきたが、外食産業にフォーカスした「ソリューション営業部」を昨年新設。ユーザーへのアプローチ強化と、メニュー開発や店舗オペレーションに踏み込んだ提案型営業を推進している。
ソリューション営業部のメンバーには、多岐にわたるグループ製品を知りつくし、コンビニや量販デリカでの実績を持つ人材を登用。穀物のプロフェッショナルな営業担当者が、多岐にわたるカテゴリー商品をワンストップで提案し、おいしさや健康にこだわった新たなメニューの開発、コスト低減と品質向上を両立する店舗オペレーションの実現など、ユーザーと一体となった営業活動を強化する。
メニュー開発では、天ぷらや唐揚げなど揚げ物メニューだけでなく、和洋中の幅広いジャンルで対応を強化する。担当者は「中華や洋食で使える引き出しは多い」と強調する。
例えば、大豆たん白を活用したプラントベースメニューや、製粉事業で展開する多彩な小麦粉を活用したオリジナルの麺や餃子、糖質とミックス粉を組み合わせたデザートの開発など、「お客様が求めている以上の価値提供を目指し、外食市場の活性化に貢献していきたい」という。
将来的には全事業所にソリューション営業部の担当者を配置し、外食ユーザー向けの提案を強化。外食・中食、加工食品メーカー向けなど、複合型のシナジー提案を今後、さらに深めていく方針だ。