伊藤ハムは今夏ギフト商戦へ向け、贈答ユーザーの維持を図る「守り」と、新規顧客層獲得の「攻め」の両輪で展開していく。守りは引き続き「伝承」ブランドを前面に訴求。攻めは、昨年から起用するイメージキャラクター上野樹里さんを継続し、30~50歳代女性を主な開拓層に定める。「ハムの価値をどう伝えるかが課題」(米田雅行常務)に対し、新企画として動画を作成し、ハムやローストビーフは「繊維の向きに対して直角に切る」などカット方法、おいしい食べ方、おすすめ保存方法など分かりやすく伝え、新規ユーザー獲得につなげる。
一般的にハムギフトの既存ユーザーは60歳代以上が7割強を占めると言われており、いかに60代以下を獲得できるかが業界の課題であった。そこで同社は昨年から上野さんを起用。その効果として昨年歳暮期は30~50歳代女性の開拓に「結果が出た」とし、今後もさまざまな施策で新規ユーザー開拓を図る。
商品では、攻めとして、ハムギフトは多品種、小分け、ボリューム感の追求を行い、お取り寄せなどの調理品ギフトや健康ギフトを強化していく。主力の「伝承」のバラエティセットは、6種6品を6種7品とする。変更点はロースハムスライス60gを、45g×2P(計90g)とパック数、重量も増量する。価格は税込3千240円で変わらない。同様の4千320円のセットは、7種8品から7種9品となる。
また、「さらなる成長の起爆剤」(青木純一マーケティング部長)に位置付ける健康ギフトは、「二ケタで伸び続けている」(同)。「伝承献呈うす塩仕上げ」を強化していく。うす塩仕上げの単品新商品「生ハムロース」を発売し、生ハムを加えたバラエティセット(3千240円)を新発売するほか、ネット限定品のウインナーたっぷりセットも発売する。好調の理由について家田宜威ギフト企画室室長は「(相手を思いやる)贈る側の気持ちが伝わりやすいギフト。特に親などの身内向けへの贈答に好評で、ハムギフトで最も伸長しているブランド」と強調する。
一方、守りの戦略は、引き続き松本白鸚さんを起用し既存ギフトの魅力度や特別感の向上を図り、既存ユーザー流出を防ぐ。新商品「伝承鹿児島黒豚」は、厳選農場で飼育された鹿児島県産純粋黒豚のみを用いた「伝承ギフト至高の逸品」(同社)。各品さらに価値を高めて今夏商戦に臨む。