トルコ共和国は今年、ガストロノミーイヤーを宣言し年間通じてトルコの食文化を発信している。
その一環として、トルコ共和国大使館と服部栄養専門学校は5月26日、服部栄養専門学校でトルコ料理のデモンストレーションと調理実習を実施した。
実施に先立ち挨拶したコルクット・ギュンゲン駐日トルコ大使は「トルコ料理は地中海的な要素と中東的な要素、そして中央アジア的な要素も兼ね備えている。本日の実習やデモンストレーションを通してエッセンスの一部を感じていただくことを期待している」と語る。
続いてトルコ共和国大使館・文化広報参事官室の大森正光氏は、トルコ料理の特徴について「ヨーロッパとアジアのクロスポイントであるユニークな地理的環境と古い歴史に大きく影響を受けている。加えて、動植物の多様性が郷土料理を豊かにしていることやオスマン帝国時間の宮廷料理発祥の料理が今も受け継がれている点も特徴に挙げられる」と説明する。
朝食が重要視されていることも紹介。
トルコ語で朝食のことを「カフヴァルトゥ」といい、トマト・キュウリ・オリーブ・チーズ・ジャム・はちみつ・バター・卵料理・パン・チャイが基本の組み合わせとなる。家族と一緒に食事をすることを大切にし、親戚や友人を招いて食事をしながら会話をするコミュニケーションの機会にもなっているという。
「5万2000人が参加した世界最大の朝食展が開催されたことを記念して毎年6月第1週の日曜日(今年は6月5日)を『世界朝食の日』に定められている」と述べる。
10月11日には「ミシュランガイド・イスタンブル版」が刊行される。
トルコの大都市・イスタンブルは、ガストロノミーとシティを組み合わせた「ガストロシティ」と称せられるなど、数々の受賞歴のあるファインダイニングをはじめとする多様な食文化を提供している。
デモンストレーションと調理実習には、服部栄養専門学校ハイテクニカル経営学科2年生59人が参加。講師を務めたのは、ターキッシュキッチンイズミル(東京都杉並区)オーナーシェフのエリフ・アガフル氏。
オスマン帝国宮廷料理として、米入りミートボールのヨーグルトソース煮「エキシリ スル キョフテ」、ラム肉のトマト煮と茄子のソースの「ヒュンキャル べエンディ」の2品、トルコの前菜料理としてキュウリのヨーグルト和え「ジャジュック」を実演した。