コロナ前によく耳にした言葉が「インバウンド」だ。しかし、コロナ禍でその状況は一変。外国人観光客の姿が消え、インバウンド需要が激減した結果、その言葉を聞く機会は確実に減った。だが、今後その言葉を耳にする機会は着実に増えそう。
▼政府は10日から外国人観光客の入国を認めることを決めた。添乗員付きパッケージツアーの受け入れを再開するもので、制限そのものは残る。しかし、インバウンド需要の回復に向けては一歩前進という評価になりそうだ。
▼外国人観光客の受け入れ再開は、宿泊施設を含む観光業界に加え食品関連業界、特に外食業界にとっても朗報だ。インバウンド需要が実際にどこまで回復するかは分からない。しかし、打撃が大きかっただけに期待が膨らむのも当然だろう。
▼感染再拡大の不安は残る。感染防止対策の徹底が求められる状況は変わらない。他方、インバウンド需要の動向が外食市場やそれを支える関連市場が回復するきっかけになる可能性がある。そんな期待が高まる。関連業界全体として受け入れ準備を進める時が来たようだ。