「三越豊田」オープン 小型店に厳選18ブランド 日常の中の上質を提供

名古屋三越(椎野聡社長)は4月22日、愛知県豊田市に新店「三越豊田」をオープンした。昨年9月に撤退した「松坂屋豊田店」の跡地である、豊田市駅前の商業施設T-FACE・A館2階に開業。スイーツ、服飾・雑貨、化粧品など18のブランドショップに加え、名古屋三越はじめ三越伊勢丹グループとオンラインで結んだギフトサロンも展開。フロア面積約1千900㎡の小型店ながら、デジタルの活用で商品・サービスに奥行きを持たせるとともに、次世代顧客の獲得にもつなげていく。当日は開店前から約500人が行列を作った。営業時間は10時~20時。

店内は中央エスカレーターを挟んで、大きく食品ゾーンと非食品ゾーンで構成。食物販店は11店。「ゴディバ」では、両口屋是清(名古屋市)とコラボした「千なり チョコレートあん」をオープン記念企画商品として販売。一宮市の人気カフェ「CROCE」はベーグルに特化した「マチネ ベーグル」を初めて店舗形態で展開する。

ゴディバ×両口屋是清 千なり(ゴディバ/三越豊田) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
ゴディバ×両口屋是清 千なり(ゴディバ/三越豊田)

また、「プレスバターサンド」が人気のBAKE(東京都港区)は、アップルパイ専門店「リンゴ」との2ブランド同時出店。店頭キッチンで焼き立てのバターサンドを提供するスタイルは、中部エリアでは初となる。

LOOP(愛知県一宮市)はタルト店「ザ・タルト」とチーズケーキ専門店「ナメリ」の2ブランドを複合型で展開。スイーツのセレクトショップを謳うAJ Flourish(名古屋市)の「スウィーツ ゴー」も来店客の注目を集めた。

オープン初日に行われたテープカット(三越豊田) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
オープン初日に行われたテープカット(三越豊田)

開店前には、太田稔彦豊田市長や三宅英臣豊田商工会議所会頭ら来賓を招きオープニングセレモニーを執り行った。管理運営会社・豊田まちづくりの河木照雄社長は、「T-FACEが生まれ変わり、本日オープンした。皆さまのお言葉をしっかり聞きながら運営していく。このT-FACEを皆さまの身近な店として、この先も大切にしていただきたい」と呼びかけた。

名古屋三越・椎野社長も、「このプロジェクトが始まって以来、地元の皆さまから熱烈なラブコールをちょうだいした。私どもとしても、この豊田の地に出店することは長年の悲願。本当に相思相愛でこの日を迎えることを心から嬉しく思っている」とあいさつ。

また、オープン後の囲み取材で椎野社長は、同店の商圏特性を「以前の百貨店を支えていた中間層、百貨店に勢いがあった時の顧客プロポーションとすごく似ている。若くて、ある程度購買力のある方たちが非常に多い」と分析。その中で、「『日常の中の上質』をポイントに、地元の皆さんの支持獲得を目指していく」とした。