製パン大手が7月からの値上げを相次ぎ発表 小麦・油脂類・糖類・レーズンなどの国際価格高騰や燃料費・物流費の増加が背景

 山崎製パンの発表に続いて、愛知県の製パンメーカーのフジパンと敷島製パンは5月2日、相次いで値上げを発表した。いずれも7月1日納品分から。

 フジパンは「食パン」平均6~8%、「食卓ロール」平均5~9%、「菓子パン」平均3~8%、「洋菓子・和菓子」平均3~6%。

 敷島製パンは「食パン」約4~9%(平均5・9%)、「食卓ロール」約3~8%(平均5・3%)、「菓子パン」3~9%(平均5・6%)、「和洋菓子」約2~8%(平均4・8%)をそれぞれ改定する。

 北米小麦生産地の不作、ウクライナ情勢など供給懸念に伴う小麦国際相場の高騰で、政府からの輸入小麦の売り渡し価格が今年4月期から前年10月期に比べ17・3%アップと大幅に引き上げられ、主要原材料の小麦粉の値上げが6月下旬から実施される。

 輸入小麦の政府売り渡し価格は前年10月期の19%値上げに続く3期連続に加え、油脂類、糖類、レーズンなど世界的な需要拡大や主産地での天候不順によって国際価格が高騰。原油価格の高騰に伴って電気・ガス・ガソリンなどの燃料費、物流費などの経費も増加している。

 生産の合理化、輸送体制の見直しなど経費節減を進めてきたが、企業努力だけでコスト上昇分を吸収することは極めて困難として改定に踏み切った。

 一方、山崎製パンは4月28日、同じく7月1日出荷分から価格改定を発表している。改定率は「食パン」平均8・7%、「菓子パン」平均4・3%としている。