千葉大学、数学のチカラでビール開発 産学連携による地域貢献に意欲

 千葉大学大学院理学研究院の萩原学教授と同大学の有志学生のチームは、数学・情報数理学を活用した独自手法によりオリジナルのクラフトビールレシピを開発し、習志野市のブルワリー・パブ「むぎのいえ」の協力により「Chiba Dorado 0(チバドラドゼロ)」として製品化した。7日より「むぎのいえ」店内で販売している。

 萩原教授と千葉大学の学生らは、2021年にクラフトビールプロジェクトを発足。
 数学・情報数理学の活用により、アロマ感、フルーティ感といった数値化が難しい抽象的な概念を視覚化。ビール造り未経験者でも、イメージした「香り・雰囲気」にあうホップを選定しビールレシピをデザインできる独自手法を開発した。

 今回のビール造りでは、学生らが初めてレシピ作りに取り組み、2ケ月かけてオリジナルレシピを開発した。「むぎのいえ」との共同醸造では、ビールの仕込み作業に学生らも参加。エルドラドホップをふんだんに使用し、トロピカルなジューシーさと爽やかな苦みのある、アメリカンスタイルのペールエールに仕上げた。

 萩原教授は「今回のホップ選定の手法は、ビールだけでなく他の食品などにも適用できる汎用性のあるもの。数学・情報数理学を活用した地域貢献や産学連携の取り組みのポテンシャルは高い」と今後の展開に意欲をのぞかせた。