豚肉や鶏肉などの各精肉に栄養成分表示 生鮮品で業界に先駆けた取り組み 平和堂が記載開始 そのきっかけは?

 平和堂は3月1日、精肉の牛、豚、鶏全品を対象に、熱量・タンパク質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5つの栄養成分の記載を開始した。

 食品表示法で加工食品は5つ栄養成分表示が義務化されているが、任意の生鮮品では全国的に珍しく業界に先駆けた取組みとなる。

 同社は「知る限りでは他社で見たことはない」としている。精肉でも栄養成分を表示することで、消費者は1日に必要な栄養摂取量がわかりやすくなる。

 きっかけは「タンパク質を1日にどれだけの摂取が必要か気にされているお客さまが増えている」(同社)ことがあり、行政などが強化する健康寿命延伸への取組みにも関連して、消費者が確認しながら購入できる「指標が必要」との考え方から、同社精肉課の取組みとして始めた。

 表示する栄養成分は、日本食品標準成分表(八訂)に沿ったもの。

 対象店舗は、全157店舗(3月1日現在)で、滋賀、京都、大阪、兵庫と福井県敦賀市の120店舗はアウトパックとインストア加工商品すべてが対象で、その他の北陸地区(福井、石川、富山)と東海地区(愛知、岐阜)はインストア加工商品のみが対象となる。

 今後は対象商品を順次拡大させていく。

 なお20年4月1日から完全施行となった食品表示法では、容器包装に入れられた一般用加工食品及び添加物は、食品表示基準に基づき、「生命の維持に不可欠であるとともに、日本人の主要な生活習慣病と深く関わる」(消費者庁資料)とする熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量で表示)の5つの栄養成分の量及び熱量の表示が義務付けられているが、一般用生鮮食品や業務用食品は任意となっている。