日清オイリオグループは4月1日から、家庭用・業務用・加工用食用油の価格改定を実施する。17日発表した。改定額は40円/㎏以上、業務用斗缶は700円以上の引き上げとなる。
世界的なバイオ燃料需要の増加や、カナダの高温乾燥による菜種の需給ひっ迫、カナダ産菜種の油分低下による歩留まり悪化、インドネシアの輸出規制やマレーシアの労働力不足によるパーム油需給の逼迫など、食用油のコスト環境は「極めて厳しい状況が続く見通し」(同社)。
日清オイリオでは、今期4回の油脂価格改定を実施してきたが、「これまでの価格改定の水準では原料コストの上昇分すべてを吸収することは極めて困難な状況となっており、これまでの価格改定に加え、さらなる価格改定を実施する」と説明した。
足元の原料相場は、カナダ菜種はトン1千加ドル、大豆15ドル後半、パーム油5千800リンギ――と依然高値圏での上昇が続いており、為替も1ドル115円の円安傾向とコスト環境は大変厳しい状況となっている、
製油業界では昨年計4回の値上げを実施。今年に入ってからも、すでにJ-オイルミルズが2月からキャノーラ油の価格改定を実施。昭和産業も3月から油脂製品全般の価格改定を実施する旨を発表している。
日清オイリオが4月からの価格改定を発表したことで、来期も引き続き、悪化するコスト状況に対応した油脂の価格引き上げが最優先課題となっている。