配送車両のEV化

宅配需要が増加する中で、配送車両のEV化(電気自動車)が進みつつある。宅配大手のSBSホールディングスは昨年秋、Eコマース向け配送車両としてEVトラックを5年間で2千台導入、中長期的に1万台を目指すと発表した。車両排出CO2削減強化を掲げ、EVなどの次世代車両に置き換えていく。

▼SBSが導入するEV車両は、中国製の1tクラスのEVトラックで、航続距離300㎞が可能なバッテリーを搭載。外観は街中で見かける商用バン、普通免許で運転可能な車種として最大積載量のEVという。

▼同社のプレスリリースによると、国内で初めてファブレス生産による宅配用電気自動車のナンバー交付を受けたフォロフライ社が、日本の安全基準に基づき設計変更した車両を中国のメーカーがOEM生産したもの。導入金額は1台当たり約380万円、ガソリン車同等の低価格を実現した。

▼日本の自動車メーカーもEVトラックの商用化を進めているが、現状では先行する中国勢とのコスト差は大きい。ファブレス生産によるスピード感も脅威とされる。食品流通の現場でも配送車両のEV化は期待されており、どのような展開が広がっていくか注目される。