アサヒ飲料の炭酸飲料ブランド「三ツ矢」が2年連続で過去最高販売数量を更新した。
コロナが出現した20年は、飲料市場が外出自粛による人流抑制と冷夏の影響で10%弱前年を割り込む中、「三ツ矢」は130年以上の歴史の中で過去最高の販売数量を記録した。
市場は21年も、8月のお盆明けから記録的な長雨と低温の天候不順が9月まで続いたことで厳しい一年となった。
そうした環境下で「三ツ矢」は昨年も20年を上回る数量を販売し前年比2%増の4126万ケースに達した。
拡大を続けることができた理由について、27日事業方針説明会に臨んだ相生宏之常務執行役員マーケティング本部長は「コロナ禍の在宅時間増加で高まるリフレッシュニーズを確実に捉えることができた」と述べる。
「三ツ矢」の旗艦アイテム「三ツ矢サイダー」に磨きをかけて広告と販促を積極的に展開したことに加えて、多くの新商品を投入したことで“久しぶりに三ツ矢を飲んだ”という休眠層の掘り起こしにも成功した。
「ほぼ全ての世代で購入規模が拡大し、21年もお客様に寄り添いお客様に選ばれるブランドであったと思っている」と振り返る。
新商品の中で、爽快感と健康のトレンドをとらえてブランドの成長に大きく貢献したのが「三ツ矢サイダー レモラ」で年間350万ケースを販売した。
アサヒ飲料の最新の調べによると、約3億ケースと推定される炭酸カテゴリーのうち、49%が有糖炭酸と炭酸水の併飲ユーザーであることが判明。
「三ツ矢サイダー レモラ」はこの併飲ユーザーに向けたもので「有糖炭酸ユーザーの中で甘すぎることに不満を感じるユーザーがいることに着目し甘さ控えめを目指してレモンとライムでスッキリとした後味が実現した」。
今年は、ブランド全体で“Move your heart”の新メッセージを掲げ「ブランドの魅力である透明な爽快感でお客様の心の活動量を上げていくことに取り組んでいく」。
商品ポートフォリオは今年も「三ツ矢サイダー」を軸足に新商品・派生商品で休眠層の掘り起こしを図っていく。
今年に入り「三ツ矢完熟もも」と「三ツ矢クラフトコーラ」を既に新発売したほか、有糖炭酸と炭酸水の併飲ユーザーに向けては「三ツ矢サイダー レモラ」を3月22日にリニューアル発売し4月19には無糖炭酸の甘みがないことに不満を持っている併飲ユーザーに向けて「三ツ矢微糖炭酸水レモン」を新発売する。
「三ツ矢」ブランドでは今年、前年比4%増の4330万ケースの販売を目標に掲げる。