三島食品が昨年発売した「ひろし」が、当初の計画を大幅に上回るヒット商品となった。
好調な同商品にけん引され、主力品の「ゆかり」をはじめとする「あかり」「かおり」など既存のふりかけ商品も軒並み二ケタ前後伸長。その結果、前12月期は家庭用の売上が大きく伸び、初めて業務用の構成比を上回った。
最近は“ふりかけ三姉妹”を筆頭に、SNSで話題に上ることの多い同社の商品。
「ひろし」も発売前から話題を集め、発売後は反響の大きさに原料の調達が追いつかず、結局11月ごろまで出荷調整を余儀なくされた。原料供給が限られる中での販売にもかかわらず、発売から1か月余りで年間目標の1万ケースをクリア。
販売額(出荷ベース)は当初見込みの約8倍となる、4億3000万円となった。
「一昨年の『うめこ』も原料が足りなくなるほどだったが、『ひろし』はその比ではなかった」と末貞操社長は振り返る。
「ひろし」の原料は広島菜100%。
全国的に低い広島菜の知名度を高めようと、発売当初から“広島菜大使”を名乗っていたところ、広島県観光連盟から本物の観光大使に任命された。
JAによると、「ひろし」効果で中元や歳暮での広島菜漬の需要が高まったという。コロナ禍で土産物需要は低迷したものの、原料菜の生産は「ひろし」のヒットもあり3割増となった。