「やかんの麦茶」発売半年で2億本突破 秋以降も勢い止まらず

コカ・コーラシステムが麦茶飲料市場に向けて2021年4月に新発売した「やかんの麦茶from一(はじめ)」が、発売から約半年間経った昨年10月に累計出荷本数2億本(650PET換算)を突破した。

日本コカ・コーラの山腰欣吾マーケティング本部止渇系無糖茶・機能性茶・紅茶事業部部長は「気温が下がった(昨年)10月以降も、その勢いは継続している。特にやかんで煮出した麦茶の飲用体験が少ないとみられる20~40代のお客様の比率が高く、麦茶飲料市場の活性化に大きく貢献した」と胸を張る。

「やかんの麦茶」は、開発に約3年を要し、さまざまなコンセプト調査を行ってきた中で麦茶飲料市場に求められているのはシンプルさや親しみであることをつかみ、「綾鷹」や「爽健美茶」といったメガブランドの傘ではなく、実質的な新ブランドとして製品名を前面に押し出したものとなる。

20~40代に支持されたポイントについては、やかんで煮出したような本格的な麦茶の味わいと、のれんをモチーフに日本の伝統色である浅葱色(あさぎいろ)と麻の手ぬぐいの質感を組み合わせたパッケージなど情緒的価値の訴求を挙げる。

日本コカ・コーラの山腰欣吾部長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
日本コカ・コーラの山腰欣吾部長

「他社の麦茶飲料からのスイッチではなく、麦茶飲料以外のカテゴリーから幅広く流入したことでも市場活性化に大きく貢献した」と振り返る。

展開2年目となる2022年については、引き続き新規飲用者の獲得に注力するとともにロイヤルユーザーの育成にも取り組む。

そのための施策については「家庭内飲用を促進し、一人で飲む飲み物から家族みんなで飲む飲み物といった広がりをつくっていきたい。その中で特に食事シーンとのつながりを強化していきたい」と意欲をのぞかせた。