グミ市場で着々シェア拡大するハリボー 「ゴールドベア」生誕100周年 日本への意気込みは 責任者に聞く

ハリボーは昨年創業100周年、旗艦商品の「ゴールドベア」が今年誕生100年を迎えた。日本での販売は37年目に入り、さらなる販売強化を掲げている日本の責任者ポールクラフト氏に話を聞いた。

HARIBOは発売より右肩上がりで売上を伸ばし、21年1-9月は前年比23.9%増と過去最高売上を達成(SRI調べ)、グミ市場のブランドシェア7.4%と一昨年の5位から3位に浮上した。

その要因として、コンビニでの拡売に向けて内容量を100gから80gにサイズダウンして買いやすい価格に設定したこと、TVCMを放送した効果、新商品6品の発売││を挙げる。

同社の世界的な戦略「キッズボイス」のTVCMは、6~7年前からニュージーランドはラグビー、イギリスではロックンローラーと各国のメジャーなシーンをCMにして反響を呼んでいる。日本でも国技である相撲の力士をパロディに仕上げたCMを放送。SNSなどでの反響も大きく1回目の放送時には週販69%増と売上にも貢献し、全年代で購入者が増加した。

欧米のトップブランドは30~40%のシェアが当たり前、ブランド認知度があれば黙っていても売れる市場だが、日本では競争が激しく改廃も多い。セールスポイントをパッケージでうたうことが当たり前のように行われており、80gにサイズ変更した際に合着不使用やヨーロッパ№1ブランドのアイコンを入れるなど工夫した。

さらに味のバリエーションが多い商品については味の説明が必要なため、SNSでのコミュニケーションを取っている。ポール氏は、海外と日本の市場を比較し「グミだけでなく菓子メーカー数や小売の数が多く、競争が激しいことが難しくもあり面白いところ。市場の差をドイツ本社に理解してもらい新商品をいかに出していけるかが拡売のカギだろう」と言う。

22年は、スーパーとドラッグストアの配荷を上げさらにシェアを伸ばすことが目標。今年は「ゴールドベア」誕生100周年のため、「ゴールドベア80g」ハッピーバースデーデザインや日本限定の「ゴールドベア4連グミ」、春をモチーフにした個包装タイプの「ハッピースプリング」など半年で6品の発売を予定している。7月以降も「ゴールドベア」誕生100周年を記念した限定商品を続々と発売予定。また、2~4月にはTVCMの放送も予定している。

販売代理店である三菱食品との協業については、「今まで本社とのコンタクトが多かったが、今後は全国にある支社とも密にコミュニケーションを取り、各地域での問題点を解決していきたい」と語った。

また競合や注目するブランドについて、どのメーカーというよりは競争が激しい分、トレンドに敏感で消費者ニーズへの対応が早い日本の市場自体が競合とみており、ブランドについては、新商品が当たり前の日本市場で常に新しい提案を続ける「スターバックスコーヒー」は、日本でもロイヤルカスタマーを獲得しており見習うべきところが多いと言う。

ポール氏は、「ゴールドベア誕生100周年をきっかけとした新商品やプロモーションでさらなる拡売を図り日本のシェア向上に注力していく」と意気込みを語った。