意外に使えるUDF

今年8~9月、一部地域で市販用介護食のメーカー出荷が跳ね上がった。新型コロナウイルスデルタ株の感染拡大で入院待機の自宅療養者が増える中、介護食が支援物資の一つに採用されたことによるもの。

▼一般に介護食=高齢者食ととらえられがちだが、日本介護食品協議会が定めるUDF(ユニバーサル・デザインフード)規格の「容易にかめる」は、いわゆる「やわらか食」。たとえば、胃の調子が悪い時、歯が痛む時、発熱時など、しっかり噛むことができない時、老若男女を問わず重宝する。

▼一昨年、大手パンメーカーの食パンがUDF「容易にかめる」に登録されたが、昨年11月には、一般食品と比べ食べる力が弱まった方でも食べやすい食品として開発されたものに対し、UDFマーク表示の対象範囲が広がった。利用者の選択肢を増やし、UDFの利用価値を高める狙いで、アイスクリームやチョコレート、キャラメルなどが新たにUDFに加わっている。

▼「容易にかめる」などの「やわらか食」は、災害時の備蓄品など意外に用途は広い。特別な人のための食にしておくのはもったいない。