日本初 一番茶で機能性表示食品 “BMIが高めの方の体脂肪を減らす” 伊藤園

伊藤園が3月15日に新発売する「一番摘みのお~いお茶」シリーズは、国産一番茶のみを原材料とした“BMIが高めの方の体脂肪を減らす”機能を訴求する機能性表示食品。機能性表示食品の緑茶リーフ製品カテゴリーとしては日本初の商品となる。

その開発にあたっては、コロナで厳しさが増す日本の茶業界に強い危機感を抱いたことが引き金となった。

日本茶(包装茶)市場は昨年、家庭内需要の増加を追い風に13年ぶりのプラスになったものの、茶産地と荒茶生産量は就労者の高齢化と就労者不足で減少の一途にある。

昨年はそこにコロナが追い打ちをかけ、シーズン通して最も生産量の多い一番茶が新茶セールなどを行えず活気を失った。

「毎年、新茶の時期になると“新茶が届いたぞ!”と工場も物凄く活気づくが、昨春はそれがなくショックを受けた。社内では、茶業界を底上げしてく活動をしていかないと、この先のお茶の未来は本当に厳しいものになると危機感が強まった」と志田光正マーケティング本部長は振り返る。

この強い危機感が伊藤園を突き動かした。

急ピッチで開発を進め「開発メンバーが死に物狂いで取り組んだこともあり、3月の発売に何とか間に合わせることができた」という。

お茶そのものを機能性表示食品として打ち出すことで、お茶全般に“おいしくて健康”のイメージを定着させて、お茶全体の活性化を図るのが「一番摘みのお~いお茶」開発の真意と思われる。

「畑からつくられたお茶そのものに機能があることを世に問うことが、次の新茶の時期にお茶に注目が集まることにつながる」との青写真を描く。

開発で腐心したのは、おいしさの追求。

「“おいしくないと支持されない”ということで、“日本一おいしいお茶でなおかつ健康にいい”を目指した」。

若年層獲得へお菓子との提案も(一番摘みのお~いお茶)
若年層獲得へお菓子との提案も(一番摘みのお~いお茶)

この考えの下、「一番摘みのお~いお茶」は、一般的な煎茶に比べカテキン類やアミノ酸が豊富な国産一番茶を100%使用し、抽出後・茶葉16g当たり機能性関与成分ガレート型カテキン340㎎が摂取できる設計となっている。
カテキンが脂肪の吸収を穏やかにする効果は、8種類のカテキンのなかでもガレート型のカテキン類に有効性があることが判明。

ガレート型カテキンは、玉露や一番茶など良質なお茶に多く含まれ、その特定と原料調達には、伊藤園中央研究所の35年以上に及ぶカテキン研究の資産が活かされたという。

「これまで蓄積された資産は大きかったが、飲料などの加工品と異なり農作物で世に出すにあたっては相当苦労した。ガレート型カテキンの特定はそう簡単ではなく、特定しながらの栽培は至難。茶農家さまと成分値を担保したモノづくりから管理体制を含めて取り組んだ」と説明する。

緑茶リーフのメイン顧客層は50、60代だが、市場活性化には若年層の獲得を重要視する。

「若い人が急須から緑茶リーフに入っていく状況にならないと市場は一気には広がらない。外食の動向をみているとそのチャンスは十分にある」との見方を示す。

吉田達也マーケティング本部リーフブランドグループブランドマネジャーは、その明るい兆しの一端として、急須の引き合いが強まっていることを挙げ「おうち時間の増加で秋口から2ケタで伸びている」と述べる。

「一番摘みのお~いお茶」シリーズ専用什器
「一番摘みのお~いお茶」シリーズ専用什器

「一番摘みのお~いお茶」は、以下の3品種をラインアップ。

▽ゆたかみどり品種を30%以上ブレンドし国産一番茶を100%使用した「1000」(100g・希望小売価格:税別1000円)。

▽鹿児島県産かなやみどり品種を50%以上ブレンドした鹿児島県産一番茶を100%使用した「1200」(同1200円)。

▽鹿児島県産さえみどり品種を30%以上ブレンドし八女玉露入りの国産一番茶を100%使用した「1500」(同1500円)。

「香りに特化した『1000』、香りと旨みのバランスを図った『1200』、旨みに特化した『1500』の3品種を用意して選ぶ楽しみを打ち出した」と語る。

売場では、専用什器を用意し多箇所での展開を提案していく。「当社の中でも機能性表示食品が揃ってきたことから、売場でコーナー化できるような新ツールの活用を予定している」。

コミュニケーションは女優の中谷美紀さんを起用したTVCMを5月に放映開始。リーフでは50年ぶりのCM投下となり、このCM投下を含めて「いれる楽しさ・おいしさ・健康の3つをアピールして飲用層を広げていく」。

農林水産省によると、国内の荒茶生産量はダウントレンドにあり16年間で約30%減少し20年は6万9800tとなった。

一方、伊藤園の茶産地育成事業を構成する契約栽培と耕作放棄値を大規模茶園に造成することをサポートし栽培技術を提供する新産地事業では栽培面積と生産量がともに拡大している。

伊藤園の吉田達也ブランドマネジャー㊧と志田光正本部長。画面は左からリモート出演した中谷美紀さん、名波靖功さん(イリヤマタ名波製茶)、弓田康詞さん(JAハイナン)
伊藤園の吉田達也ブランドマネジャー㊧と志田光正本部長。画面は左からリモート出演した中谷美紀さん、名波靖功さん(イリヤマタ名波製茶)、弓田康詞さん(JAハイナン)

契約栽培は茶葉を全て買い取るとともに、栽培指導やさまざまな情報提供を行い茶葉の品質向上を目指すもので、今回の「一番摘みのお~いお茶」の一部商品にも茶産地育成事業の茶葉が使用されている。

9日に開催された発表会には、中谷美紀さんとともに、JAハイナンの弓田康詞さんと(有)イリヤマタ名波製茶の名波靖功さんがリモート出演し、伊藤園との関わりについて「厳しい状況の中でも買い支えてもらうことで生産者は安心して取り組むことができる」(弓田さん)とコメント。

伊藤園は今後、コロナがきっかけの新・生活習慣課題をお茶の力で解決することを目指していく。

「お茶にできることはまだまだあり、メタボ・デジタル疲労・交流減少による悩みといった新・生活習慣課題を解決するソリューション飲料として国内外に広げていけるようにしたい」(吉田ブランドマネジャー)と意欲をのぞかせる。