加速するデジタル化 営業は対面とオンライン併用で 投資を伴う製造「見える化」も

働き方改革に欠かせないデジタルトランスフォーメーション(DX)。生産性や効率化には必要不可欠な活動で、中・長期的に企業価値を高め、競争力強化につながるとあって、食品業界でも今後の投資を含めて対応を急いでいる。

ひと口にデジタル化といっても社内Web会議や取引先とのWeb商談から始まり、事業所のオンライン化、生産のロボット化、AIによる受発注予測・生産計画、在庫適正システム化など大きな投資を伴うものもあり、対応はまちまちだ。

しかし、業界リーダーアンケート(21年1月1日付、食品新聞掲載)でも明らかなように、「2021年はDX推移をキーワードに企業文化改革が次々と具体化してくる年」(味の素社)とも言われ、今年はDXが加速することは確かだろう。

一昨年から企業活動における重要なテーマとして浮上したデジタル化。「2020年をDX元年に位置づけ、デジタルを活用したビジネスモデルの転換を進め、効率性および生産性を向上させ、新たなビジネスモデルを創出」(日本ハム)、「テレワークの推奨に合わせ、スピーディーにITインフラを整備」(キユーピー)した企業も多い。一方、「今後投資を強化し、情報システム環境の向上を図る」(ダイショー)など、これから投資を計画している企業もある。

デジタル化に向けて全社的に方向性を定めた井村屋グループは「DX戦略プロジェクト」を打ち出し、エバラ食品も「デジタルシフトプロジェクト」を推進し「社内啓発を行ってきたことで在宅勤務がスムーズに移行した」と言う。

当面の具体的な取り組みはWebを活用した社内体制の構築で、白子は「社内会議や取引先との商談はWebを積極的に利用」、伊藤ハム米久HDは「テレワークに伴いWeb会議システムの導入や、事業会社間のシステム統合」を進めているが、「会議はデジタルに置き換わったが、それ以外はまだまだの状況」(はくばく)という企業もある。

営業においてもデジタル化が大きなテーマとなっており、「対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型の商談スタイルを取り入れた」(カゴメ)企業のほか、自販機の新規設置営業においてダイドーグループホールディングスも「オンラインと対面営業それぞれのメリットを生かしながら営業活動の量と質を上げる」方針。

「営業部門はセールステックを活用し、効率的に成果をあげる仕組みの構築に取り組んでいる」(日清フーズ)、「オンラインでプレゼンができるシステムを構築した」(明星食品)など、各社それぞれの対応を図っている。一方、販促でも「ECビジネスやWebプロモーションの強化を進めており、デジタル技術を活用した販売活動を推進する」(金印)企業もある。

工場によるデジタル化には大きな投資が伴うが、「2020年10月から稼働を開始した新工場では、稼働状況をパソコンの画面にリアルタイムで確認できる『見える化』を実現」(はごろもフーズ)、「今後は生産現場の歩留まり・ロスなどの情報のデジタル化、見える化に注力する」(マルヤナギ)、「生産のロボット化、事業所のオンライン化、AIによる受発注予測、生産計画などを積極的に進めていく」(真誠)企業もある。