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タカノフーズ インフルエンザを予防 納豆の価値向上へ商品投入

タカノフーズは来年2月を目途に、インフルエンザの予防効果が期待できる納豆を発売する。15日に開催したおかめ納豆サイエンスラボ第1回メディアセミナーで明らかにしたもので、最新研究により同社保有のS-903納豆菌にはインフルエンザ予防効果が期待できることがわかった。新機軸の商品投入により、トップメーカーとして納豆の価値向上を図る。

中部大学生命健康科学研究所の林京子客員研究員の実験によると、インフルエンザウイルスを鼻に一回接種したマウスに対して、S-903納豆菌を納豆20㎎相当量、80㎎相当量、160㎎相当量で、毎日2回、感染前後の2週間経口投与したところ、投与量に応じて肺・気道のウイルス増殖が抑制された。

また、投与量に応じて血清・気道の中和抗体産生を刺激した。林氏は「S-903納豆菌は、インフルエンザウイルスに感染する1週間前から摂取すると、ウイルスの増殖を抑え、かつ抗体量を高めた。従って、S-903納豆菌にはインフルエンザ予防効果が期待できる」と説明した。

このS-903納豆菌は納豆トップのタカノフーズが保有し、「免疫に対する機能性を高めた納豆および抗アレルギー用組成物」として12年に特許登録された。同社開発部門の赤田圭司氏は「色々な納豆菌があり、納豆菌それぞれで免疫に対する機能性が違うのではないかという観点から研究を開始した。その結果、従来菌と比較してIL-12産生誘導能が1・5倍も高い納豆菌を選抜することができた」と述べた。

また、同社研究部門による効果検証では、S―903納豆菌は花粉症患者における症状を緩和し、生活の質を改善させる可能性が示唆された。いまのところ、同社納豆製品にS-903納豆菌は使用されていないが、現在商品開発を進めており、来年2月を目途に商品化される予定だ。

かつて全国納豆協同組合連合会が行った消費者調査では、健康に良いと思われる食材に緑茶、ヨーグルト、酢、豆乳などを抑えて納豆が1位となった。多くの消費者が納豆の健康効果に魅力を感じている。最新の研究成果をもとに、インフルエンザ予防効果が期待できる納豆を開発・発売し、冬の感染症リスク低減を訴求することで、納豆のさらなる価値向上を図る。

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