逆光線(コラム)非常時の「定番力」

非常時の「定番力」

「この2、3か月間、商品の割り当てと、お詫びが仕事になっていた」。メーカーの営業マンは明かす。家庭内需要の急増でこの間、さまざまなカテゴリーの商品が動き、品薄や欠品になったものも少なくない。この担当者も数字を見るだけなら喜べたが、「いまだクレーム対応に奔走している」と疲れ切った様子だ。

▼調味料メーカーのマネージャーは「例年ならゴールデンウイーク向けの販促をかける時期だが訪問して商談する機会はなく何の提案もできなかった」と少々不満げ。それでも置けば売れただけまだ良かった。

▼売上げが伸びたメーカーばかりではない。多くのスーパーがチラシを控えたため特売を打ち出すことができず、「スポットだけのお付き合いしかないところは厳しかった」と乾物メーカーの幹部。一方で定番棚に商品が入っているスーパーの売上げは堅調で、「定番の大切さを改めて認識した」という。

▼学校や企業活動が再開され生活が戻っても、消費行動が以前と同じとは限らない。新たな様式に合わせた提案力が求められる場面もあるだろう。それを発揮するには、根幹にある強固な定番力が頼りになる。

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