「午後の紅茶」と「生茶」に一層集中 健康と環境を軸に事業方針 キリンビバレッジ

キリンビバレッジは今期(12月期)、CSVの実践を軸とした成長による利益創出を図る。

今期は19-21年の3か年中期経営計画2年目の期であることから、従来の戦略の柱を引き継ぎながらCSVの実践を強化していく。

強化の背景について、1月23日に都内で事業方針説明会に臨んだ堀口英樹社長は、SDGsの意識上昇・健康志向の高まり・プラスチックに関連する環境意識の高まり――といった世界的な潮流を挙げ「キリングループのCSVパーパスのもと、特に今年については健康と環境という二つの分野を中心に取り組んでいく」と意欲をのぞかせた。

一つ目の戦略の柱である“強固なブランド体系の構築”では「午後の紅茶」と「生茶」に経営資源を一層集中させていくと同時に健康領域を拡充していく。

堀口英樹社長㊧と山田雄一マーケティング本部マーケティング部部長(キリンビバレッジ)
堀口英樹社長㊧と山田雄一マーケティング本部マーケティング部部長(キリンビバレッジ)

健康領域は、糖分やカフェインなどの“摂り過ぎない健康(無糖・低糖)”と乳酸菌などの機能性素材を配合した“プラスの健康”の2軸で取り組み、21年までに無糖飲料と“プラスの健康”の販売数量を18年比で15%伸ばしていく。

無糖飲料の代表格は「生茶」「午後の紅茶おいしい無糖」「ファイアワンデイブラック」。

発売20周年を迎える「生茶」は、ブランドの特徴である“生”を再度価値化して無糖茶市場で独自ポジションを確立していく。本体はフルリニューアルされ、3月3日に発売開始される。

中味はまる搾り生茶葉抽出物に加えて新製法を採用することで、茶葉本来の甘みと香りを強化。パッケージにも磨きをかけ“生って、感動する”をテーマにお茶の生命力で心身が満たさせる喜びを訴求するマーケティングを展開していく。

“プラスの健康”では、プラズマ乳酸菌配合商品のラインアップを拡充し間口(飲用層)拡大と継続飲用を図っていく。

無糖ニーズにも対応した新商品「iMUSE(イミューズ)水」は1月14日に発売され、発売初週で3か月計画を突破した。

今期の計画は、気候変動などのリスクを織り込み飲料全体で横ばいを見込む中、より明確なブランドポートフォリオ戦略を実践して「午後の紅茶」で1%増の5千580万ケース、「生茶」で9%増の3千110万ケースの目標を掲げる。

気候変動については「温暖化が進む中、リスクではなく、前提に考えなければいけない時代になっている」と危機感を抱く。

前期の販売数量はブランドポートフォリオが奏功して2期連続で過去最高を記録。利益創出にも成功したとみられる。

「ブランドポートフォリオの考え方が根底から浸透すると、新商品の完成度もものすごく高くなる。統合マーケティングも重要で、商品戦略を立てる段階からマーケティングと営業、さらには生産・物流の部署が一緒になって展開エリア・価格・販売方法などシナリオを含めて考えたことが奏功した」と振り返った。