13.8 C
Tokyo
12.6 C
Osaka
2026 / 02 / 06 金曜日
ログイン
English
トップニュース2020天気予報 食品業界 ニーズつかみ成長日和に

2020天気予報 食品業界 ニーズつかみ成長日和に

2020年は子年。ネズミというと食品業界とはあまり相性がよろしくなさそうだが、多くの子を産むことから古来繁栄の象徴とされてきた。東京オリンピック・パラリンピックの開催で世界中から千客万来の今年を起点に、子年にあやかり少子高齢化に打ち克って食品業界の新たな繁栄へのスタートを――といったあいさつが各地の新年会で聞かれることだろう。さて本紙新年号吉例、元祖「業界天気予報」では、今年も担当記者の知見と独断で業界の天気をずばり予想。各カテゴリーの年間見通しをお届けする。

課題解決型商品に支持 強まる“コスパ重視”

今回、本紙が「はれ」または「快晴」を予報した品目・業種は35。昨年をやや下回ったものの、引き続き全体の約3分の1を占めている。

なかでも現代の生活者が抱える課題をスマートに解決する商品やカテゴリーには支持が集まり、今年も好天が予想されている。

たとえばベビーフード。働く母親の増加や時短調理ニーズの高まり、調理機会減少によるスキルの低下から、開けてすぐ使えることの価値は高まり、少子化の逆風下でも市場拡大が続くとみられている。

家庭での調理機会の減少は、意外なところではマヨネーズの伸びにつながっている。食事になるべく時間やお金をかけることをしたくない消費者にとって、冷蔵庫に常備できてどんな料理にも合うマヨネーズは、コスパの高い万能調味料。サラダ用途ではドレッシングから乗り換える動きもあるといい、従来の“マヨラー”だけにとどまらない幅広い人気を獲得しつつあるようだ。

また今年も快晴が見込まれる缶チューハイをはじめとしたRTDは、11年連続で販売数量が拡大。ビール類など他酒類からの流入もあり、幅広い層に受け入れられている。なかでも度数7%以上の高アルRTDはここ数年で躍進、市場の5割強を占める主力ジャンルに躍り出た。これも「安く、早く酔える」というコスパ重視の消費傾向と無関係ではなさそうだ。

市販用冷食では、個食化商品やトレー入りなど時短・簡便ニーズに対応した商品が好評な一方で、少子化を背景に弁当市場は縮小。その消費動向が時代を映している。

強い健康系カテゴリー 五輪控え躍進機運

健康性や機能性でアピールできるカテゴリーも、相変わらずの強さをみせる。

健康食品の市場は、いまや1兆2千億円を超えるまでに成長。なかでも東京五輪開催を控え、スポーツ向けの栄養補給商品が急伸している。

ヘビーユーザーの定着とともにライトユーザーのトライアルも増える豆乳は、市場がこの10年で2倍超に躍進。料理用途の需要も増える。

家庭用油でも、オリーブやえごま、アマニなどのプレミアムオイルが健康性とおいしさで支持を獲得。なかでもオリーブオイルはキャノーラ油を抜いて最大カテゴリーに成長した。

ナッツ類も健康志向を背景に、さらに裾野が拡大しそうだ。アーモンドはここ10年で市場が大躍進。くるみ、ピスタチオといった品目もその機能性で注目度が高まりつつある。

正確には豆類に分類される落花生も、ナッツ同様に健康性で注目を集める。渋皮由来のポリフェノールをはじめとした有用な成分を豊富に含みながら、アーモンドなどに比べて価格が安いことも魅力。手頃で高コスパの健康食材としての地位が高まりつつある。

保存食で「おいしく防災」

昨年は長梅雨と冷夏、その後も猛暑に続き、台風と水害による被害が相次いで日本列島を襲った。ここ数年の災害多発から非常時に備えたローリングストックの考え方も家庭に浸透しつつあり、カップ麺や缶詰などが“おいしい保存食”として注目される機運にある。昔ながらの保存食である乾物類も、防災食としての活用法の認知拡大もあり価値が見直されつつある。

ただ日頃からの備えは大切とはいえ、「万が一」が起こらないに越したことはない。いよいよ2020年。今年こそ平穏無事な一年となることを願うとともに、活気と希望に満ちた社会へと前進する年としたい。

関連記事

インタビュー特集

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。

繋げる、繋げる、繋げる たこ焼きコミュニケーション足掛かりに TKO・木本武宏さんが次のフェーズへ

STUDIO TAMUROはお笑いコンビ「TKO」木本武宏さんの活動拠点。木下さんの実妹・大岡真裕美さんが代表を務める「オフィスTAMURO」が運営し、トークライブや、YouTube番組作成スタジオとして利用してきた。昨年5月からは新たな活動として、毎月3日だけ営業する「たこ焼き店」がスタートした。

SST=“サミットの仕事が楽しい”へ 新たな競争軸を作る 服部哲也社長

――中期経営計画の進捗はいかがですか。― 服部 「良い×強い=最強」という言葉を掲げた中期経営計画「頂(イタダキ)2025」は、最終年度を1年延長して26年度までとした。

食品産業センター 荒川隆理事長に聞く 「食サス」設立でサステナ課題深掘り フードサプライチェーン全体の連携で

日本の食品産業は、国内外から調達された農畜水産物を原料として、健康で豊かな生活を送るために必要な加工食品を安定的に製造・供給する産業として発展してきた。