脳の活性化には糖質の摂取だけでは不十分で栄養をバランス良く摂ることが重要――。
この研究結果などを受け、大塚製薬は83年に発売した「カロリーメイト リキッド」(200㎖缶)に磨きをかけ、脳を活性化させたい主要シーンである朝食のお供に適したものとして訴求強化していく。
脳科学のこれまでの常識ではブドウ糖などの糖質のみを摂取すれば脳が働くと思われていたが、7日本社で発表した只野健太郎ニュートラシューティカルズ事業部ソーシャルヘルス・リレーション部課長は「知的作業効率が良かったのは栄養調整食品を摂ったときで、おにぎり(糖質)の摂食は何も食べていないときと変わらず、栄養学の常識を覆す結果が出てきている」と指摘する。
岩﨑央弥ニュートラシューティカルズ事業部製品部カロリーメイトプロダクトマーケティングマネージャーは「カロリーメイト リキッド」をリニューアルした背景について「スムージーや飲むヨーグルト、プロテイン飲料などで栄養を摂られている生活者が増えてきているが、栄養が偏っている状況が続いている」と説明する。
その一方で、5大栄養素を1缶で摂取できる「カロリーメイト リキッド」の前身4品については「今までの味だとどうしても毎日続けるのが難しいという生活者の声があった」と述べる。
これを受け前身の4品種から売れ筋の「カフェオレ味」を残して中味を刷新し、新たに「フルーツミックス味」と「ヨーグルト味」の酸性フレーバー2品を追加して計3品を7日から発売している。
現行3品の前身4品との中味の違いは、タンパク質量とビタミン量を強化した点と酸性フレーバーの新展開にある。
「今回初めて酸性フレーバーをつくった。酸性を強めるとタンパク質が凝集しやすくなるが、新技術で乗り越えた。『カフェオレ味』も粘性を抑えスッキリ飲めるように改善した」という。
想定する飲用シーンは朝食のお供。「カロリーメイト」のブロックタイプやゼリー飲料は食事代替の位置づけであるのに対し「カロリーメイト リキッド」は飲料として摂れることから食の補助の位置づけとなる。
引き続き缶容器を採用したことについては「1年間常温保存でリキッドの栄養価を担保しようとすると缶の密閉性が必要となる」と語る。