米ぬか由来「スーパービタミンE」 東北大スタートアップ、1億円調達し本格展開

東北大学発スタートアップのファイトケム・プロダクツは、米ぬか由来の未利用油を用いた「スーパービタミンE」などを製品化、9日に東北大学ベンチャーパートナーを無限責任組合員とするTHVP-1号投資事業有限責任組合から1億円を資金調達し、関連する製品の製造販売を本格化させる。

同社では、東北大学大学院工学研究科の北川尚美教授が開発したイオン交換樹脂を用いたフロー型の反応分離システムの社会実装を目的に設立した。

イオン交換樹脂法は食用油の製造工程で発生する未利用油を原料にイオン交換樹脂の入ったカラムを通過させるだけの簡便な方法。未利用油中に含まれる機能性物質を分離回収すると同時に油成分をバイオ燃料や機能性素材に変換できる反応分離技術だ。

北川教授は燃料となるバイオディーゼル製造を目的とした量産装置の開発と実用化に取り組んできたが、その過程で「米油」を製造する工程で多量に発生する未利用油を原料にすると、それに含まれるスーパービタミンE(トコトリエノール)などの健康機能成分も並行して回収できることを見いだした。

北川教授は、未利用油に含まれるステロールやスクアレンなどの健康機能成分の分離回収や機能性素材となる難水溶性エステルの製造技術の開発を進め、将来的には東北地域へ大規模製造工場を建設し、地域の雇用や産業の創出、未利用資源の高付加価値化を通じて持続可能な社会への貢献を目指している。

この研究成果は未利用資源からの燃料、食品、医薬品の製造など広範な用途に適用可能な基盤技術として高く評価され、昨年6月には新化学技術推進協会の「第17回グリーン・サスティナブルケミストリー(GSC)賞」でも文部科学大臣賞を受賞した。