輸入ワイン自動検査機導入 効率化で人手不足へ対応 アサヒビール

アサヒビールは日本電気と共同で、画像処理技術を活用した「輸入ワイン中味自動検査機」を開発、4月からテスト稼働を開始した。

昨年の国内ワイン市場はやや厳しさが見られたが中長期的には伸長しているとみられ、特にチリ産を中心にコストパフォーマンスの高い輸入商品が数字を伸ばし、昨年の輸入ワイン市場は10年前の約1.5倍にまで成長。今年2月には日欧EPAが発効しEUワインの関税が撤廃されたことでさらに市場が活性化すると期待されている。アサヒビールの輸入ワイン販売数量も10年間で約2.3倍へ拡大している。

ただ検品には人手を要する。現在、同社では作業員が瓶を光に透かし、ラベルの隙間から液体に微細な異物が混入していないかを確認しており、経験と熟練の技術が必要という。現在のところ1ライン当たり10人ほどの作業員が検品している。

今回導入の検査機は赤外線照明、カメラや画像処理技術を活用して検品。ラベルの陰に隠れた異物まで高精度に検出可能だ(アサヒビールとNECプラットフォームズが共同で特許出願中)。

あらかじめ瓶の形状に応じた最適なパターンの設定や、赤・白ワインなどの液色に応じた最適な光量、撮像タイミングを設定・登録することで検査したい品種を選択すれば自動で検査することが可能だ。

導入により効率化を図ることで、今後さらに深刻化するとみられる人手不足にも対応。初心者でも作業可能で、輸入数量増加に合わせた柔軟な勤務体系を可能とし、労働力の確保が容易になるとみる。また作業員の成熟度による差がなく、検査品質の均一化が図れるという。