注目される植物性たん白

植物性素材への関心の高まりとともに、植物性たん白への注目度が増している。18年の植物性たん白の国内生産・出荷量は6万1千752t。大豆たん白、小麦たん白ともに、1%増と緩やかながらも安定成長が続いている。

▼植物性たん白は「21世紀の食品」「未来型食品」と早くから大きな期待が寄せられてきたが、その用途は畜肉・魚肉製品の食感改良等の加工用が中心で、植物性たん白の優れた機能や健康性とは裏腹に、加工補助剤や増量剤というイメージが先行した時期もあった。

▼小麦系はEPAによる関税削減で国内生産量は減少傾向にあるが、大豆系はこの数年、フル稼働が続く。世界的な人口増加と食糧需給の逼迫が社会課題となる中で、植物性たん白はサステーナブルな食品として注目され、大豆ミートなど新たな市場も広がってきた。

▼おいしさと健康を両立した食品として、植物性たん白に対するイメージは大きく変わりつつある▽かつて、アナリストからは植物性たん白の事業継続の必要性を厳しく問われたこともあった。コスト競争力は永続的な課題だが、短期的視点では決して計れない価値ある事業として、飛躍の時を迎えている。