牡蠣の養殖資材を販売するSEAPAジャパンはこのほど、大阪市のグランフロント大阪で「シングルシード牡蠣ネットワーク」を開催した。昨年に続き2回目。
シングルシードはバスケットを使うオーストラリアの養殖法で、効率的で品質の安定した牡蠣が生産できる方法として注目を集めている。
昨年5月、この養殖資材を製造するSEAPAが日本法人を設立。全国の生産者や漁連、地方自治体や流通関係者などを集め、第1回目のイベントを開いた。
日本法人の吉本剛宏社長は「これをきっかけにシングルシードが広がり、根付きつつあるのを実感している」と話す。
実際、シングルシードを始めて半年で、新ブランドの牡蠣を立ち上げた生産者の例もある。「全国の主要産地で広がりを見せているだけでなく、シングルシードで牡蠣の養殖を始める地域も出てきた」(吉本社長)。
今回のイベントには全国から約100人が集まり、生産者のほか産官学の専門家が登壇し講演。自身の経験や知見を披露した。「特定の市場へ向け特定の商品を生産する手段としてではなく、品質と効率を向上させる道筋だということが認知されてきた」(同)と手応えを得ている。