流通・飲食日本アクセス 冷食を独自施策で活性化 弁当・米飯のPB拡充
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日本アクセス 冷食を独自施策で活性化 弁当・米飯のPB拡充

 日本アクセスは、かねてよりフローズン商品の取り扱いに強みを持ち、大手食品卸として業界トップクラスの売上を誇る。25年度に発足したフローズン食品MS部は、取引先・得意先の課題を解決するために、話題性のあるイベント・キャンペーンやコスパ・タイパにこだわったオリジナル商品を展開し、冷凍食品のさらなる需要拡大を目指している。同部の小川みさと部長は「物価高で節約志向が強まっているが、冷食の買上点数アップや新商品の定着を後押ししたい」などと語った。

■買上点数アップを重視

 現在の市場環境について、小川部長は「冷食はコロナ禍の内食特需を経てユーザーの間口が拡大し、物価高の中でも生活者の選択肢に入りやすい状況。ただし度重なる価格改定の影響で買上点数が伸び悩んでいる」との認識を示し、「取引先メーカー様とは店頭で商品が回転する価格帯や値ごろ感の重要性を協議している。買上点数アップにこだわった提案を実践し、メーカー様の収益に関わる工場の稼働率アップにも貢献したい」と話す。

 需要喚起策の一環で、冷食・アイスの人気№1を決める「フローズンアワード2025」を10~11月に実施。メーカーの社員がPR動画に出演するユニークな企画だ。第13回目を迎え、応募総数は過去最多の約407万票を集めた。一昨年より「フロアワ応援店」制度を導入。クローズド形式の消費者キャンペーンにおいて、フロアワ応援店となっている小売業の店舗およびECサイトで対象商品を購入すると当選確率が5倍になる仕組み。全国から多くのスーパー、またEC事業者も加え合計62社が参加した。

「フローズンアワード」店頭販促
「フローズンアワード」店頭販促

 22年にスタートした「チン!するレストラン」も同社発の独自企画。4回目の昨年は11月28日~12月15日、北海道札幌市内で実施した。約200品もの冷食・アイスの中から、好みの品々を時間の許す限り食べ放題できる。

 小川部長は「普段食べたことのない冷食を試していただく良い機会になる。26年度も開催地は未定だが、5回目を実施予定。フロアワ企画とあわせ、参加者がもっと楽しめるようにエンタメ性を高められれば」との方針だ。一方、直近3月は兵庫の万代塚口店、静岡の遠鉄ストア笠井店でも「チン!するレストランinスーパーマーケット」として実施。実店舗で冷凍食品売り場の立ち寄り率アップと売上拡大に貢献する。

 また「冷食は定番商品のウエートが高く、新商品が定着しづらい」との課題も指摘。「当社の販促企画『新商品グランプリ』等も活用し、各メーカー様のこだわりや新商品の価値を広く訴求していきたい」と展望した。

■タイパ・コスパを切り口に商品開発

 同社プライベートブランド(PB)「Delcy」の冷凍食品について、商品開発部の嵯峨山晶子氏は「既存の冷凍野菜などを強化しながら、新商品はまだ市場規模が大きくないカテゴリーをターゲットに開発。昨今のトレンドであるタイパ・コスパを重視した商品を強化し、総需要拡大への貢献を目指す」と説明する。

 注力するワンプレートでは「博多明太海苔弁当」の動きが良い。定番のおかずに加え、福岡・かねふくの明太子でさらにごはんが進む味付けに仕上げた。店頭想定売価は478~498円(税別、以下同)。

 「宮のたれ使用ハンバーグ&ガーリックライス」も販売好調。「宮のたれ」使用による期待感やお得感が支持されている。店頭想定売価は528~538円。

 26年春はワンハンドをコンセプトにしたボリューム感あるおむすびの新商品が好スタート。「海苔弁風おむすび」「焼き鳥&そぼろ丼風おむすび」「小えび入りかき揚げ丼風おむすび」の3品。「一口目から定番人気のお弁当を丸ごと食べているような満足感」(嵯峨山氏)が味わえる。

ワンハンドおむすび好スタート
ワンハンドおむすび好スタート

 こうしたマーケットインの発想を起点に、同社は社外の視点を取り入れた商品開発にも注力している。その一つが、かねてよりパートナー企業として支援している、高校生を対象とした「ご当地!絶品うまいもん甲子園」だ。前年度から準優勝の副賞として“商品開発の権利”を贈呈。25年9月、高校生のアイデアを取り入れたご当地3種の冷凍おにぎり(茨城・和歌山・沖縄)を商品化。特に各校の地元で話題を集め、スーパー等で好調な売れ行きをみせた。25年度は沖縄・静岡・長野の高校が権利を獲得。

 嵯峨山氏は「学生からはわれわれが思いつかない斬新な発想が次々と飛び出した。様々な気づきがあった」とコメント。

 小川部長は「当社として商品提案の幅が広がる。若者が冷凍食品に親しむ機会にもなれば」とした。

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