アサヒグループ食品の真鍋礼子マーケティング本部マーケティング一部担当部長は、2月16日取材に応じ錠菓「ミンティア」の2025年販売金額が前年比2ケタ増となり過去最高を記録したことを明らかにした。
2025年9月29日に発生したサイバー攻撃によるシステム障害を乗り越えての記録達成となった。
「1-8月の販売金額は前年同期比16%増で、毎月、我々の想定を上回る伸びをみせた。9月以降はシステム障害により確定数値がまだ出せない状況にあるが、2ケタ増となったことは明らかで2019年の過去最高の販売金額238億円を超えることができた」と語る。

システム障害後は、一時期、出荷できない状況に陥ったものの、同社商品群の中で「和光堂」の粉ミルクとベビーフードに次いで優先的に供給に取り組んだことで復旧も比較的早かったという。
「システム障害後もお客様が変わらず買い続けて下さったことと、お客様との接点である売場を着実に戻して下さった流通さまのおかげ」と感謝の意を表する。
施策としては、コロナ禍で離れてしまったミレニアル世代(20代後半から40代前半)の呼び戻しを図るべく、錠菓の基本価値に立ち返り既存商品の価値を深掘りして伝えたことが奏功した。
錠菓の基本価値は、気分転換・エチケット・眠気覚ましの3つの基本ニーズへの対応にある。
コミュニケーションでは、このような機能的な価値に留まらず、機能的な価値の先にある「喫食することで得られる気持ち」という情緒に踏み込んで訴求した。
「機能的なものだけだとお客様との結びつきが弱いと考え、その先の情緒的なところまで伝えることでお客様のブランドロイヤリティは高まると考えた」と振り返る。
この考えのもと、小粒タイプのレギュラーシリーズ4品それぞれにキャッチコピーを設け、「〇〇を、ポケットに。」の〇〇の部分に「ワイルド&クール」では「自由」、「コールドスマッシュ」では「創造」、「ドライハード」では「情熱」、「カテキンミント」では「自信」のワードを表記した。
ブランドコミュニケーションワードを「いい今日を、ポケットに。」と定め、持ち運びに便利で手軽にリフレッシュできることを訴求したことや、「マイクロストレス」とも呼ばれる小さなストレスを顕在化させる施策も販売を後押しした。
マイクロストレス顕在化の取り組みとして、昨年4月から5月にかけて1か月間、都内で開催された「日常のなんてこった書店 Presented by MINTIA」と題したイベントには、期間中、同社の想定を大幅に上回る3万3000人以上が来場した。
こうしたブランドコミュニケーションやイベントによって「非常に前向きになれるリフレッシュアイテムということで理解と共感をいただいている。ストレス疲れから回復するというよりも、小さなストレスをその都度解消していく相棒として上手く手に取っていただけるようになった」という。
価値深掘りによる既存商品の好調に加え、気分転換ニーズに対応したフルーツタブレット新商品での新規ユーザーの獲得が上乗せになった。

大粒の「ミンティアブリーズ」で個別商品の価値を伝えていったこともブランドの成長に大きく貢献した。
「クリアプラスマイルド」は2023年10月のリニューアルで中身に磨きをかけミントフレーバーなどによるマスキング効果を「息クリア」から「息みがき」に変えたことで今も勢いづいている。
「息が気になるのでなんとかしなければと思われていたのを、『息みがき』という言葉にすることで能動的に自ら息をキレイにしていこうと思っていただけるようになった」との手応えを得ている。
エチケット領域をさらに広げるべく2023年4月に発売した「レモンライムドレス」でも手応えを得る。
同商品は、「香りのドレスで息に装い」をコンセプトにレモンライムカプセルを配合したもの
気分転換・エチケット・眠気覚ましの3つの基本ニーズの領域外で新たな需要を開拓して伸びざかりなのは「ミンティア+VOiCE レモンジンジャー」。
同商品については「オンライン会議などに臨む際に声を整えたいといったニーズに対応している。特に冬場になると伸び、毎年前年を上回っている」と述べる。
今後も「ミンティア」でさらなる成長を見込む。
「同じリフレッシュでも、世代によって捉え方が異なり、各世代で自分らしいリフレッシュのやり方があるとみている。このような多様化を含め、世の中の変化をみていると、まだまだがある」と意欲をのぞかせる。

