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飲料系飲料バイオマス発電に革新 燃焼を伴わず電力へ変換 熱のロス少なくローコストを実現 コカ・コーラとスタートアップ企業が実証実験

バイオマス発電に革新 燃焼を伴わず電力へ変換 熱のロス少なくローコストを実現 コカ・コーラとスタートアップ企業が実証実験

 飲料工場から排出される茶殻や抽出後のコーヒー粉を使ったバイオマス発電に革新をもたらす可能性をはらんだ技術が京都大学から編み出された。

 京都大学大学院反応工学研究室が8年間以上の基礎研究を経て「湿式ケミカルルーピング技術」を発明。

 これは、飲料残渣などのバイオマスを燃やさずに特殊な水溶液と反応させて化学的に電力へと変換していく次世代型バイオマス発電技術。
一番の特徴としては、従来技術と比べて格段に低い温度で電力に変換できることから熱のロスが少なく発電コストを抑えられる点が挙げられる。

 この研究成果をもとに2024年4月に創業した京都大学発のスタートアップ企業・ライノフラックス社とコカ・コーラシステムが協業。
 現在、コカ・コーラボトラーズジャパン(CCBJI)京都工場(京都市久御山町)で実証実験に取り組んでいる。

コカ・コーラボトラーズジャパンの福永祐司SCM本部リサイクルトランスフォーメーション部部長
コカ・コーラボトラーズジャパンの福永祐司SCM本部リサイクルトランスフォーメーション部部長

 25年11月25日、メディア向け説明会に登壇したCCBJIの福永祐司SCM本部リサイクルトランスフォーメーション部部長は「我々の工場で排出量の多い茶殻と抽出後のコーヒー粉を資源循環すべく取り組んでいるが、なかなかリサイクル素材としての価値を生みづらい。加えて、(資源循環の際に)CO2発生も抑制しなければいけない。ライノフラックス社さまの技術はこれらの課題を一緒に解決してくれるモデル」と期待を寄せる。

 従来技術では、バイオマスを800℃から1000℃の高温で燃やして湯を沸かし、発生させた高温高圧の蒸気でタービンを回して発電するなど燃焼を伴う。

 そのため、大きな熱損失を避けられず発電効率は10-30%と低位にあり、その上、燃焼過程でCO2を大気に排出してしまう。

ライノフラックス社の間澤敦社長CEO
ライノフラックス社の間澤敦社長CEO

 発電コストについて、ライノフラックス社の間澤敦社長CEOは、2020年発表の経済産業省のデータを引き「(従来技術の)バイオマスは1キロワットアワーあたり30円弱で原子力や石炭火力の倍以上のコストを要する」と指摘する。

 これに対し、燃焼を伴わない湿式ケミカルルーピング技術については「従来技術と同じバイオマス投入量で2~4倍の電力を生産する。発電コストは、平均して従来のバイオマス発電コストの半分以下の程度となる1キロワットアワーあたり10円から15円。原子力や石炭火力と並ぶコスト競争力を持つことになる」と胸を張る。

 副次的な効果として、追加プロセスを必要とせずに固定・再利用に適した高純度のCO2を生成する。

 「CO2が99.9%以上の高純度で生成されるため、コカ・コーラさまの炭酸飲料の原料やドライアイスへの活用、あるいは他社と協業してこれを固定、地下に貯留するのに非常に適している」という。

 発電効率を著しく落とさずに発電プラントの小型化や分散設置ができるのも特徴。

 「従来の火力発電プラントは大型化して効率とコスト低減を追求する必要があり、その場合、バイオマスをプラントまで運搬するのに非常にコストがかかる。一方、我々の技術は小型化しても性能が落ちづらい特徴があり、これによりコカ・コーラ工場の敷地内に設置して、バイオマスの輸送コストを限りなくゼロに近づけて発電しCO2を回収することができる」と説明する。

 特殊な水溶液と反応させて電力へと変換していく技術のため、水分を含んだ茶殻や抽出後のコーヒー粉との相性がよく、これらの飲料残渣を事前乾燥せず、そのままプラントに投入できるのも強みとする。

 ライノフラックス社としては、28年の本格的な商用利用を見据える。

 CCBJI京都工場での実績づくりを第一段階と位置付け、以降、国内にあるコカ・コーラシステム複数工場での展開やグローバルへの拡大などを視野に入れる。
 「もともと捨てられていたものからエネルギーを作り出すという新しいエネルギーインフラを作るところまでできると非常に面白い」と意欲をのぞかせる。

 CCBJI京都工場での実証実験では、排出される茶殻などとの反応具合や安定性、耐久性などを確認する。

 「一番の課題は、湿式ケミカルルーピング技術を、長期安定的に耐久性を持って実現できるかにある。バイオマス由来の不純物が蓄積して性能が落ちてしまうリスクも考えられる。こういった課題を解決するため、今後も研究を進めていく」と語る。

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