10.6 C
Tokyo
11.6 C
Osaka
2025 / 12 / 28 日曜日
ログイン
English
飲料嗜好飲料小川珈琲 バリスタ育成とコーヒー産地支援で先駆的取組み ブランド力向上へ 宇田吉範社長が意欲

小川珈琲 バリスタ育成とコーヒー産地支援で先駆的取組み ブランド力向上へ 宇田吉範社長が意欲

 9月1日から現職の宇田吉範代表取締役社長/CEOは、バリスタとコーヒー産地での活動に先駆的に取り組み、小川珈琲のブランド力を引き上げた立役者。

 1993年に入社すると希望して工場に勤務。10年かけて工場の全部門を経験する傍ら、生産管理システムの開発、ISO9001認証取得などを率先。その頃から「商店みたいな会社だった小川珈琲をしっかりとした会社としていきたいという想いがあった」と宇田社長は語る。

 1996年、シアトル系コーヒーショップが上陸すると、バリスタの重要性を察知。単身イタリアへ渡りミラノからナポリまで縦断しながらバールで働き、バリスタとエスプレッソコーヒーの造詣を深める。

 日本国内でもスペシャルティコーヒーが流行り出した2000年頃からはコーヒー産地への訪問頻度を増やして連携・支援に取り組む。産地への地の利もあり、14年には米国・ボストンで会社を構える。

 産地とかかわる中で、地球環境が危機的状況にあることを感じ、環境を守りコーヒーの持続的な生産に資するために何をすべきかを考え導き出したのが「エシカルコーヒーをおいしいと思って飲んでもらえる状態を作り続けること」。

 同社は家庭用有機レギュラーコーヒー市場でおよそ8割のシェアを握るものの、これまで有機コーヒーやエシカルを前面に押し出すことはしていない。

 「おいしいコーヒーを飲んで自然とフェアトレードなどに参加できているようにしていく。長く続けるには無理のない状態にしていかなければいけない」と述べる。

 おいしいコーヒーを追求しトップバリスタを多く輩出していることでブランド力が向上。ファンの数も着実に増やしている。

 「値上げによって売上高を維持し物量を落としているのがコーヒーロースターの典型例だと思うが、当社はこの1年で値上げを実施しても物量を落とさなかった」と語る。

 今期(8月期)は中期経営計画2年目を迎え「揺るぎない基盤と挑戦する創造力」をテーマに事業を推進していく。

 「認証や制度に縛られず環境や社会に配慮した誠実な取り組みを続ける生産者や事業者を支援するという考え方を広めていくために、コーヒー以外も含め様々な方向で新事業にチャレンジしている。新しいことをするには経営基盤が重要となることから、コーヒーロースターとしての基盤をもっと強めるように社員に呼びかけている」と力を込める。

 宇田社長の信条は新しいことへの挑戦。

 「チャレンジして具合が悪くなっても修正を加えるなどしてやり続ける限り失敗はない、というのがわが家の家訓。結果が出ないうちにやめてしまうと失敗になる。ブランドを棄損しない限りで、多少困難なこともまずはチャレンジし、やりながら考えていく」と語る。

 趣味は料理と読書。

 「食べることと料理をすることが好き。健康のことも考えて外食を控え、日本にいるときは家族のために料理をする。腕前はシェフが作る料理以上と自負している。本も好きで、いろいろな国を訪れた際に写真が美しい料理本を買うようにしている。料理本は大きくて重たいが、いろいろな国の料理をうまくつくれる」と屈託なく語る。

関連記事

インタビュー特集

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。