逆光線(コラム)強まる節約 信頼積み上げる機会に
カナエ モノマテリアルパッケージ

強まる節約 信頼積み上げる機会に

 レジ前でかごの中身を一度見直す。値札は同じでも、受け取る重みが増したように最近感じる。食品売場はいまや暮らしや家計を映す鏡だ。

▼「ものの買い方が変わった」と耳にする機会が増えた。値上げが常態化し、消費者は切り詰めるのではなく、冒険を控え、失敗しない選択を求めるようになった。使い切れる量や味の想像がつく安心感、調理の手間などに価値をはかる。量か質か、その基準は日々更新され、値札の数字以上に、ものが選ばれる理由が問われる時代になった。

▼業界もその変化を肌で感じている。「節約志向は現場の知恵を引き出す圧力」と、あるメーカーは例えた。売場には大容量商品が復権し、PBの磨き直しや使い切りの小分けが増え、新商品より定番の改良が目立つようになった。容量や配合、工程を見直し、無駄を削って品質を守る、「その商品設計は節約志向と同じ論理だ」と。

▼節約は安さだけでは続かない。小さな満足や安心感があってはじめて、レジ前へかごを進めることができる。節約志向や安定志向は、縮こまる兆しではない。安定を選ぶ消費者とそれに応える現場。消費者に歩調を合わせ、信頼を積み上げる機会だと思う。

関連記事

インタビュー特集

Mizkan フルーティス刷新(後編) 「新・果実体験」を提供 リフレッシュしたい時に

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。家庭用では業務用で人気の「シャインマスカット」「あまおう」「白桃」を、家庭用・業務用の双方で「ざくろ」を新発売した。

Mizkanフルーティス刷新(前編) 果実のおいしさが主役の新製法 マーケティング本部 田中菜々美氏に聞く

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。