江崎グリコは、とろける宝石をイメージしたチョコレートブランド「Tunmel(トゥンメル)」に磨きをかける。
「Tunmel」の新商品「Tunmel ボンボンショコラ カカオセレクション」を12月1日から順次発売する。
同商品は、スイスのOro de Cacao社が持つ独自製法「コールドエクストラクション」で作られたチョコレートを使い、添加物に頼らないおいしさが楽しめるもの。原材料はカカオ・砂糖・生クリーム・水あめのみ。
一般的に使用されるソルビトールなどの糖アルコールや乳化剤、安定剤を使用せずカカオ分80%以上のチョコレートを使用したガナッシュ生地にチョコレートをかけている。
同商品の開発について、11月26日発表した経営企画部全社戦略・プロジェクトグループの古谷正樹氏は「原料が少ないからこそ、ひとつずつの原料や素材の役割が大切になると考え様々な種類を検討してきた」と振り返る。
一例を挙げると生クリームに使用するミルクは、牧草だけを食べて育った牛から搾ったグラスフェッドミルクや植物性のミルクなども検討した結果、フレッシュさやカカオの良さを引き出すため北海道産ミルクを選定した。
製造にあたっては、脱気しながら混ぜることでガナッシュ中の空気を減らし比重が高いなめらかな食感になっている。
ペルー産、ドミニカ産、ガーナ産のカカオの個性が感じられる3種類を用意し各種の風味に合わせて形状やサイズを変えることでガナッシュとチョコレートのバランスを追求している。
価格は、3個入り(各種1個)が税込1512円、6個入り(各種2個)が税込3024円。

今回、ボンボンショコラに着目した理由について、健康イノベーション事業本部健康事業マーケティング部抗酸化マーケティンググループの神頭(かんとう)渉(わたる)氏は「2024年12月に4品を発売したところ、お客様からもっと食べやすい商品やギフトのご要望いただき、チョコレートの種類や商品数をもっと増やしていきたいと考えた。トライアルにもつながりやすくブランドとしてもやる意味がある」と説明する。
コールドエクストラクションは、古代マヤで水と一緒に石臼でカカオ豆をすり潰して飲んでいた「ショコラトル」から着想を得た低温抽出製法で、焙煎していないカカオ豆を水に入れて低温で粉砕・抽出する。
「原料は全く同じでも製法を変えるだけで食べ始めの味わいは全く異なる。通常の製法では苦味や酸味が最初に感じられるのに対し、コールドエクストラクションでは甘味や本来のおいしさが感じられる」という。

カカオ豆の焙煎工程を省き熱によるダメージを抑えることで、カカオの豊かな香りを保ち、苦味や酸味を抑制。これにより、産地で異なるカカオ豆そのものの個性をより味わえるという。
江崎グリコは、コールドエクストラクションで「Tunmel」用に作られたチョコレート生地を輸入して国内工場で加工している。
「Tunmel」のブランド名は、マヤ語で暦の単位と貴重な石を意味する「Tun(トゥン)」とゆっくり口の中で溶ける様子を表す「Melt(メルト)」を組み合わせて命名された。
こうしたブランドに込めた想いや差別化された製法などに説明を要するため、当面、価値を直接、消費者に伝えられる販売チャネルとして百貨店に絞って販売していく。
経営企画部全社戦略・プロジェクトグループの槌田智子プロジェクトマネージャー(マーケティング)は「一般販売の商品と比べて説明が難しいため、百貨店さまと協力しながら価値を伝えていきたい。これから商品を増やしていき、常時販売できるような場所を探していく」と述べる。
24年12月に発売したのは「ペルー81%」(8個)「ドミニカ82%」(6個)「ガーナ83%」(6個)の3種類と、3種類を4個ずつ詰め合わせたアソートタイプの「カカオセレクション」の計4種類。
計4種類発売後の状況については「カカオ80%以上でも苦味がなく口溶けも良い、カカオの産地によって味わいが全く異なることに驚いた、といった反響をいただく一方で、コールドエクストラクションの価値を伝えるのが難しい」と語る。


