7.8 C
Tokyo
6.7 C
Osaka
2025 / 12 / 19 金曜日
ログイン
English
加工食品菓子有楽製菓、モンゴルで「ブラックサンダー」販売 鉱山でのサンプリングも計画 複雑な製造工程で海外に勝算

有楽製菓、モンゴルで「ブラックサンダー」販売 鉱山でのサンプリングも計画 複雑な製造工程で海外に勝算

 有楽製菓はモンゴルで「ブラックサンダー」の大規模プロモーションを今夏に実施するなど海外展開にも注力していく。

 現在、14の国と地域で「ブラックサンダー」を販売。モンゴルには昨年進出し、今夏、TVCMやラッピングバスを使った大規模プロモーションを実施し、今後は鉱山での採掘従事者へのサンプリングを予定している。

 9月30日、取材に応じた河合辰信社長は「おいしく摂れるエネルギー源として『ブラックサンダー』の活用を検討していただくために、サンプリングを実施して生活の中での利用シーンを広げていきたい」と語る。

モンゴルで実施したラッピングバスのプロモーション
モンゴルで実施したラッピングバスのプロモーション

 同社が現地に確認したところ、モンゴルでは、エネルギー消費の大きい鉱山労働者向けにカロリー摂取の基準が設けられており、その基準を満たすため多くの鉱山では労働者にチョコレート菓子を給食として提供しているという。

 展開エリアの中で、市場に定着して堅調に推移しているのは10年以上前に進出した台湾。アメリカでは2023年に大手小売業に採用された。今後、関税政策など流動的な外部環境に落ち着きがみられれば、取引拡大が見込まれる。

 前期(7月期)売上高は196億円。海外売上比率は4%程度。将来は売上高300億円、海外売上比率10%以上を目指していく。

 「今後はモンゴルを起点に中央アジアを開拓していきたい。そのほかのエリアもまだまだ伸び代が見込めるが、チョコレートは西洋発祥のお菓子であるため、日本のチョコレートとして何をフックにしていくかが一番難しい」との考えを明らかにする。

 こうした考えの中で、勝算が見込めそうなのは「ブラックサンダー」の複雑な製造工程にある。
 「ブラックサンダー」は食感の異なる2種類のココアクッキーとプレーンビスケットをこだわりのチョコレートでコーティングした唯一無二のチョコレートバーとなる。

 「自社でクッキーとビスケットを焼き、それらを砕きチョコレートで混ぜ固めて、さらにチョコレートでコーティングするという非常に複雑な工程を経ているため、海外でこれと同じことをやろうとするところはまずない」と自信をのぞかせる。

関連記事

インタビュー特集

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。