菓子卸の関口が宮城県仙台市で9月17日開催した「令和7年 東北エリア秋季大見本市商談会」には、過去最多となる136社(244コマ)の菓子・食品メーカーが出展し、小売店や卸店らの来場客とともに、これから最需要期を迎える菓子市場に関する情報交換が活発に行われた。
見本市商談会の朝礼で挨拶した関口快太郎社長は「得意先さま(流通)も過去最多となる600人近くを予定し、ここ数年で、さらに大きな見本市に発展できると期待している。メーカーさまの皆様におかれては、この見本市を活用していただいて菓子商戦を盛り上げていただきたい」と呼びかける。
同商談会は、東北で唯一の専業卸による菓子展示会となる。
136社の出展のうち13社が初出店。総コマ数(244コマ)は、出展メーカー136コマに、スポットコーナー100コマと関口提案ブース8コマの合算となる。
同社は今期(3月期)、“STRONG UNITED COMPANY2027”をスローガンに掲げ、社員の結束、流通と関口、メーカーと関口、流通とメーカーそれぞれの結束の強化に取り組んでいる。
「東北エリアでは、多くのメーカーさまが拠点数を集約され、メーカーさまの中には一人で東北6県を担当されているところもある。東北エリアは広大であり、営業で回り切れないメーカーさまにはぜひ当社を活用していただきたい。その意味で、東北ではメーカーさまとの協力関係が特に重要。情報交換を密にしつつメーカーさまの営業代行のつもりで商品紹介や売場提案を行っていく」と意欲をのぞかせる。
関口は各県に拠点を構えて隅々まで配送できる物流網を50年かけて構築。現在、東北・北海道では、郡山支店、山形支店、仙台支店、青森黒石支店、秋田支店、盛岡支店、札幌支店を構える。
このうち青森黒石支店は、前身の青森黒石センターから7月に格上げされ新たな一歩を踏み出した。
「最初は秋田県と青森県の得意先さま(流通)に向けた物流センターの役割が強かったが、だいぶ運営もこなれて地元のお客様がしっかりついてきたため支店にして、少し青森市場を活性化させいくような活動をしていきたい」と説明する。
一方、秋田支店は高まる需要に対応するため3月24日に広い敷地の新拠点に移転。新拠点の倉庫スペースは、前身と比べて1.8倍に拡大して人員も増強した。
東北の菓子卸流通市場は従来の1250億円の推計から、値上げによる金額の伸びとインバウンド需要や旅行者の増加で1382億円に拡大したとみている。
関口の前期売上高は前々期比7.5%増の265億円。このうち、東北・北海道の売上高は9.61%増の約148億円となった。北海道の売上高は1億円に満たずほぼ東北の売上高になる。エリア別売上構成比は関東が44%、東北・北海道が56%。
東北の菓子卸流通市場に占める関口の売上シェアは1割強。人口減少の中で成長を図るためシェアを2割に引き上げることを目標に掲げ、ソフト面・ハード面ともに拡充していく。
ソフト面ではメーカーの開発・マーケティング担当らを講師役に招き、人材育成やスキルアップの向上を図る。
「菓子営業としてのスキルアップ育成やお菓子そのものの勉強会を開始し、関口の方針と社風をしっかり伝承しながら人材育成に力を注いでいく」と語る。
東北・北海道内で、各県を横断して店舗展開する流通企業が増えてきたことを受け、各支店の連携を強固にして、エリアをまたいでの提案営業も推進していく。
ハード面では秋田支店の機能を拡張したほか、今後、仙台支店の拡張を計画している。
なお、4-7月売上高の前年同期比は関口全体で7.2%増、関東が6.17%増、東北が8.02%増。
このうち東北の支店別では、秋田支店が移転効果と人員増強で15.57%増、郡山支店15.05%増、山形支店2.73%増、仙台支店3.31%増、盛岡支店3.29%増、青森黒石支店2.61%増、札幌支店約3.7倍をそれぞれ記録した。


