コメ、増産路線を修正 価格は市場任せに回帰 鈴木農相が方針

10月21日に発足した高市内閣で、農林水産大臣に自民党の鈴木憲和衆院議員が就任した。

22日に会見した鈴木大臣は、米価の高止まりで注目されるコメ政策に関して「需要に応じた生産が基本」と説明。

「需要がないのに生産量を増やせば米価が下がる。生産者の設備投資や人件費を考えても、価格の安定が不可欠。無責任に増産を続けるのは難しい」として、前任の小泉氏が掲げた増産路線への転換から修正を図った。

さらに「(米価について)私のスタンスとして、高いとか安いとかは申し上げない。価格はマーケットで決まるものだ」と表明。5月から備蓄米放出による価格引き下げを進めてきた政府の方針を改め、今後は価格のコントロールに関与しない姿勢を示した。

そのうえで、コメ需要の拡大へ海外マーケットの開拓に意欲を表明。「私たちが認識を改めたほうがいいのは、今まで日本のコメは高くて海外に売ることができなかったという理屈だ」と述べ、日本産米の高付加価値を武器に輸出を拡大できる可能性を強調した。

東京都出身ながら、米どころの山形県が地盤の鈴木氏は農政通として知られる43歳。東大法卒後、農水省職員を経て12年に初当選。外務大臣政務官、農林水産副大臣などを歴任した。