新政権に望むこと

高市新政権に何を期待するのか。業界としては、やはり“食品消費税0%”だろうか。関係者に聞いてみた。

▼「今さらの感はあるが、実現してほしい」と地方メーカーの社長。「最低賃金は繰り返し上げられてきた。本来なら減税で消費を促し、景況感を高めてから賃金を上げるべきではなかったか」と指摘する。「モノは動かず、原材料は上がる。その上、給料も上げろとは…」。

▼消費の停滞を、より実感しているのが小売の現場だ。昨年までは、購買点数が減っても単価の上昇分で何とか売上をカバーできていた。買い控えの傾向が強まった今年は、それが難しくなっている。せめて消費税分でも下がれば、価格上昇で手を出さなくなるという悪循環から抜け出せるだろうか。

▼「安易にしてほしくない」。問屋の現場で聞いた。そうでなくても、毎月のように実施される価格改定で面倒な事務作業に追われている。税率の変更がどう影響するか分からないが、これ以上の作業負担は勘弁してほしい。しかも、2年の期間限定という。「2年後に戻すくらいなら、最初からしないで」と本音を明かす。