ミニストップは、手作りおにぎりなど店内加工商品の消費期限表示不正問題を受け、販売再開に向けた方針を明らかにした。下期営業利益への影響は約10億円を見込むが、代替商品の拡充や販促強化、加盟店支援などで約8億円のリカバリーを目指す。信頼回復に向けた再発防止策に加え、10月は値引きセールや夜間クーポン、11月には大型販促企画も実施する。
同社によれば、6月の検査で消費期限ラベルの二重添付が発覚。全国25店舗で表示不正が確認され、8月に、手作りおにぎり・弁当と店内加工惣菜の製造・販売を中止した。
堀田昌嗣社長は「再発防止策を確実に講じ、第三者の目も入れて、お客様に“安心・安全”と認めていただくことが大前提」と強調。再販時期については「全店一斉再開はまだ先で、年度をまたぐ可能性もある。加盟店から希望申請を受け、店舗体制確認や従業員トレーニング、テスト生産、菌検査を順に行い、直轄の品質管理部門が最終チェックして初めて再開できる」と段階的な方針を示した。
再発防止策として、厨房カメラ導入やラベル発行機刷新、従業員教育の徹底、社長直轄の品質管理担当設置やイオングループと連携した衛生基準見直しも進める。
客数減対策として、米飯やデリカ、パン類の品揃えを拡充。9月は一部商品で代替が進んだが、既存店日販は8月前年比2.2%減、9月速報で6%減と依然影響が残る。従来1店舗当たり平均50個販売していた手作りおにぎりは、アウトパックおにぎりや三角サンド、大きなおにぎりの新商品で約20個分をカバーしている状況だ。「全量の代替は難しいが、価値の近い商品で売上を確保している」としたうえで、「販売中止を機に夜間の客数増加など新たな販売機会も見えてきた。今後も加盟店と連携し、高付加価値の米飯や惣菜で顧客満足度の向上を図る」と力を込めた。
なお、加盟店支援策としては、販売休止に伴う損失や食品ロス分の補填に加え、カメラやラベル発行機、アルコール自動噴霧器の設置など一部を本部負担で実施している。