2025年のノーベル生理学・医学賞を大阪大の坂口志文特任教授、化学賞を京都大の北川進特別教授が受賞した。日本の受賞は31人目。国別では欧米諸国に次ぐ世界6位だ。日本の基礎研究力低下が指摘される中で誇りに思えるニュースだった。
▼この時期、科学界で話題となるノーベル賞のパロディ「イグノーベル賞」にも触れておこう。今年は農研などの研究チームが生物学賞を受賞。白いペンキで黒牛をシマウマ模様(シマウシ)にするとアブに刺される回数が半減することを突き止めた。
▼雨などで塗料が数日で消えてしまうのが課題とは何とも笑いを誘うが、研究者たちは至って真剣だ。殺虫剤を減らしながら害虫を通じた感染症などから家畜を守り、ストレス軽減にもつなげる。畜産業の課題解決に向けた可能性が期待される。
▼日本のイグノーベル賞受賞は19年連続の快挙だという。「人々を笑わせる、そして考えさせる」研究に贈られる同賞。一見無駄に思える研究者たちの遊び心や知的探求心にこそ、未来のイノベーションが生まれるヒントがあるのかも知れない。












