スターゼン 秋冬提案を拡充 ローストポークに手応え

食肉卸大手のスターゼンは、自社の強みを生かした食肉加工のメニュー提案や独自商品を充実させている。今秋冬は注力するローストポークのスライス厚を変更して食べ応えをアップさせたほか、パッケージ商品はソーセージのリニューアルやビーフジャーキーの少量サイズなどで新たな需要開拓を目指す。

9月3日に発表会を開催。鶉橋正雄常務は「諸コストの上昇が続く中で消費者の節約志向が強まっており、両者の狭間でバランスを取ることが重要な課題になっている。われわれは三つのポイントを掲げており、一つ目は価格を維持することにフォーカスした商品周りの効率化、二つ目はブランディングを通じた価格以上の価値の創出、そして三つ目が香港を中心とした海外市場の開拓」と近況を説明した。

今秋冬は、新市場開拓の一環に位置付けるローストポークの訴求を強化。低温加熱でしっとりした食感に仕上げ、ご飯との相性も抜群だ。このほどスライス厚を変更して食べ応えがアップ。ローストポーク丼やラーメンのトッピングなどの利用を見込む。物価高を背景に小売、業務用の双方から引き合いが強いという。

定番のローストビーフは幅広く展開。最需要期の年末に向けて増産体制を整える。

「我家のビストロ」ブランドを冠したソーセージの味わいをリニューアル。味の濃さや塩味を調整し、毎日でも食べたくなるバランスが取れたおいしさを目指した。「あらびきポークウインナー」「旨チーズ」「ピリ辛チョリソー」など。デザインを刷新してシリーズの統一感を図ったこともポイント。

ビーフジャーキーに小容量
ビーフジャーキーに小容量

ビーフジャーキーは、既存の100gに新ラインアップの少量サイズ(30g)を追加。従来同様の「ビーフジャーキー」「カルパス」などに加え、世界中の和牛人気を意識した「黒毛和牛ジャーキー」を新発売。肉とタレの旨みが凝縮されたワンランク上の味わいで、パッケージには近い将来の輸出展開を見据えて「PRODUCT OF JAPAN」のロゴを入れた。

冷凍ハンバーグの「DELI BURG」は今春リニューアル。簡便性と手作り感を両立させた品位が評価され、量販店への導入も一定程度進んだ。販促物等を活用してさらなる認知アップを図る。

コト提案となる「酒味時間(=お酒を愉しむ時間や場面を食で彩ること)」も継続。対象は小売店・飲食店・ECなど広く想定。家飲みの定着と肉料理の優位性を生かし精肉から加工品まで同社ならではの多様な提案で活性化を図っている。