赤城乳業 クリーム系アイスで秋冬攻勢 コラボ・高価格帯で客層拡大へ

赤城乳業は今秋冬、クリーム系主力ブランド「ソフ」「フロリダサンデー」「ミルクレア」を強化する。加えて、「ガツン、とみかん」の高価格帯商品や既存技術を生かした新製品でブランド価値向上に挑む。人気コンテンツ「ハイキュー‼」とのコラボ企画も展開し、若年層をはじめ幅広い層の購買意欲を喚起する。

長島弘和営業本部営業部部長兼営業企画部部長は「生活必需品の値上げや買い控えが続く中、6月中旬以降の猛暑も追い風となり、1~7月の累計売上高は前年同期比104%まで回復した。主力『ソフ』は7月出荷が前年同期比150%超、店頭カバー率も120%超を維持。マルチも過度な特売を控え、安定供給を最優先する戦略が奏功した」と振り返る。

チョコ感アップ「フロリダサンデー」
チョコ感アップ「フロリダサンデー」

秋冬は引き続きミルク系商品を強化する。8月下旬から夏商品よりも乳脂肪分を高めた「ソフ北海道ミルクバニラ」を発売し、9月1日に「同ミルクココア」も投入。9月22日から「ミルクレア 焦がしキャラメル味」「同ベルギーチョコレート」の2品を「ハイキュー‼」とのコラボパッケージで展開する。「フロリダサンデー」は男性人気も高いチョコフレーバーを展開。天面の生チョコソースは従来よりもチョコ感をアップさせた。

高価格帯では9月15日から「ガツン、と超みかん」(税別550円)を投入。従来品より果汁・果肉比率を60%に倍増し、プレミアムな味わいで中高年層を取り込む。江頭2:50さんとのコラボ企画も配信予定。「セルフチョコレートクラッシュ」は「セルフクラッシュ」と改称し、パッケージでも側面を割って食べる楽しさを分かりやすく伝える。

営業本部営業企画部の中島一輝主任はアイス市場について「価格改定が進み、この秋には180円台の商品も増える見込み。数量は一時減少したが直近は持ち直し、前年水準を維持している」と説明。同社は数量維持・さらなる拡大に向けて戦略的に価格改定の対象を選別しており、主力の「ガリガリ君」1本入りソーダや成長率が高い「フロリダサンデー」は価格を据え置く。

今後の課題として、「ガリガリ君」「ミルクレア」「ソフ」は若年層で数量割れが目立つ一方、「ガツン、とみかん」は中高年層の数量割れが挙げられる。付加価値を加えた定番商品や新商品で購買意欲を喚起し、リピーター育成にも力を入れる方針だ。