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飲料系飲料伊藤園「お~いお茶」の心臓部・静岡の一大生産拠点でコーヒーも焙煎 「タリーズコーヒー」にも供給

伊藤園「お~いお茶」の心臓部・静岡の一大生産拠点でコーヒーも焙煎 「タリーズコーヒー」にも供給

 伊藤園は2013年、「お~いお茶」の心臓部とも言える「伊藤園 静岡工場」(静岡県牧之原市)の一角にコーヒー焙煎工場を設立し、以来、「TULLY’S COFFEE(タリーズコーヒー)」ブランドの飲料製品とグループ会社のタリーズコーヒージャパンの店舗に焙煎豆を供給している。

 年間焙煎量は約5000トン。原料のコーヒー生豆を1袋60~70キロの麻袋(またい)で受け入れ、麻袋にツメを刺しクレーンで持ち上げて解体機に投入。解体機で裁断され、投入された生豆は7つの選別(磁気別・粒径別・風力選別・石除去・マグネット選別)を経て異物を徹底除去してサイロに保管される。

 サイロは40本(20本×2基)あり、1本に最大1.5トンの生豆が入れられる。

 「多種多様のアイテム数に上るため、サイロは大きいものではなく1.5トン程度が入るものを複数本用意して、いろいろな品種に対応できるようにしている」と焙煎を担当する第一製造部コーヒー製造課課長の八木洋一郎さんは語る。

タリーズ店舗で販売する物販用の豆製品(左側)
タリーズ店舗で販売する物販用の豆製品(左側)

 焙煎は、焙煎能力60~120キロの熱風式焙煎機と、焙煎能力240~300キロのドラム式熱風焙焙煎機の2つで行っている。メインはドラム式焙煎機で行い、タリーズの店舗で販売される商品はドラム式焙煎機のみで焙煎している。

 コーヒー豆の特性に合わせて最適な焙煎を行い「『タリーズコーヒー』ではシティロースト(中深煎り)からフレンチロースト(深煎り)くらいで焙煎している」と述べる。

 飲料用のブレンドは、生豆をブレンドしてから焙煎するプレミックスと焙煎後にブレンドするアフターミックスの両方を採用して味のバリエーションが広がるようにしている。

タリーズ店舗物販用の包装
タリーズ店舗物販用の包装

 鮮度を重視し、タリーズ店舗で販売する物販用の豆製品は焙煎後48時間以内の包装を厳守。飲料用は焙煎から抽出されるまでの期間が最大2週間と定められている。

 「コーヒー豆は焙煎すると炭酸ガスが発生し、それとともに風味や香りも逃げてしまうため、できるだけ早くバリア性の高い包材に閉じ込める必要がある。飲料では、パッカーさまの協力のもと、早いリードタイムでやらせていただいており、それだけ鮮度にこだわっている」と説明する。

 タリーズ店舗物販用の包装は、3直稼働で1万5000本のペースで行っている。「飲料用とタリーズ店舗で提供されるアイスコーヒーをはじめ、タリーズ店舗での物販の大半を当工場で対応しているが、ゆくゆくは包装工程を強化して、全てを当工場で賄えるようにしたい」と意欲をのぞかせる。

シルバースキンのリサイクルを説明する八木洋一郎さん
シルバースキンのリサイクルを説明する八木洋一郎さん

 シルバースキンのリサイクルも特徴。

 焙煎時に副産物として出されるシルバースキン(生豆の薄皮)は、ペレット加工され畜産の飼料に混ぜて活用されているほか、タリーズ店舗ではナプキンや紙ストローの素材に全て転用されている。

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