村上農園 北海道の生産拠点が稼働 沖縄まで13施設が整う

村上農園はこのほど、北海道伊達生産センターを新設し、6月27日に竣工式を行った。今回の北海道進出によりグループでは北海道から沖縄まで全国に13拠点の植物工場を持つ生産体制となった。これまで北海道では関東地域で生産した商品を長距離輸送していたが、伊達市に生産施設を設けたことで輸送にかかる時間を削減し、より鮮度の高い商品を道内の消費者に届けられる。通年生産が可能な植物工場の利点を生かし、野菜の生産が難しい冬季も安定供給が可能だ。

投資額は約8億円。敷地面積は2万9000平方㍍で、工事は2期を計画している。ハウス面積は1期あたり約8700平方㍍となる。生産予定品目は「ブロッコリースーパースプラウト」「ブロッコリースプラウト200」「レッドキャベツスプラウト」「マスタードスプラウト」「クレススプラウト」「青じそスプラウト」「かいわれ大根」「マルチビタミンB12かいわれ」で、1期・年産3900万パック(スプラウト換算。2期は未定)の能力を持つ。「ブロッコリースーパースプラウト」を栽培する人工光型植物工場と、その他の品目を生産する太陽光型植物工場を設置。コントロールルームでは栽培状況をリアルタイムでモニタリングし、高品質な商品を供給する。

左から2人目が村上清貴社長
左から2人目が村上清貴社長

伊達市は北海道の中では夏は涼しく、冬は温暖で積雪量も比較的少ない。従業員の多くは地元の人たちで地域の雇用創出にも貢献。

竣工式には伊達市長の堀井敬太氏、伊達市議会議長の田中秀幸氏ら約30人が出席。村上農園の村上清貴社長は「豆苗やブロッコリースーパースプラウトなど栄養価の高い発芽野菜は、冬場の緑黄色野菜の少ない北海道では高い需要があると考えている。地域の皆様の協力を得ながら、北海道全域の食卓に届けたい」と抱負を語った。昨年の道内での同社商品の売上は約3億円。工場の稼働を契機に3年以内には8億円の売上高を目指す。